独断的映画感想文:あかね空
日記:2007年10月某日
映画「あかね空」を見る.
2006年.監督:浜本正機.
内野聖陽,中谷美紀,中村梅雀,勝村政信,石橋蓮司.
豆腐屋相州屋は,ふとしたことから一人息子の正吉を永代橋の雑踏で見失い,そのまま正吉は帰ってこなかった.
それから20年後,京都から江戸に出て来た永吉は,深川蛤町の長屋で,同じ長屋のおふみ等の助けを得て豆腐屋「京や」を開く.
京風の豆腐はなかなか江戸の人々に受け入れられないが,同業の相州屋,ぼて振りの豆腐屋嘉次郎等の助けを得て,京やの豆腐は次第に売れ行きを伸ばしていく.おふみと永吉が祝言を挙げた日,相州屋は病のため永眠する….
豆腐屋京やの親子を巡る人情話.
題材も良いし俳優も揃っているしと思って期待してみたが,もう一息の映画である.
他国から出てきた実直な職人が家族を得てのれんを守り,子供に家業を伝えていくという,映画が描こうとしたことは話としては判るのだが.原作から脚本に移る時点での整理が今ひとつということか.
個人的には内野聖陽のキャスティングが気になった.きりっとした内野聖陽には,京男永吉の京言葉はどうも似合わない.二役を務める顔役傳蔵の方がむしろ似合っているが,傳蔵ももう少し恐ろしい男でないとという気がする.
後半重要な役割を果たす栄太郎・悟郎・おきみの京やの兄弟も俳優陣の力はもう一つ.
もう一つ江戸の街を再現するCGがいささか安っぽいところも気になる.特に冒頭の永代橋は,まるでアルミサッシでできている様な印象で,この段階でいささかがっかり.
原作を読み期待が高かっただけに,あと一息が望まれた映画でした.
★★☆(★5個が満点)
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