独断的映画感想文:ドリームガールズ
日記:2007年11月某日
映画「ドリームガールズ」を見る.
2006年.監督:ビル・コンドン.
ジェイミー・フォックス,ビヨンセ・ノウルズ,エディ・マーフィ,ジェニファー・ハドソン,ダニー・グローバー.
ブロードウェイの大ヒットミュージカルの映画化,監督は同じ趣向の映画「シカゴ」の脚本を書いた人でもある.
僕は「シカゴ」は駄目だったので,どうなるかと思ったがこの映画は良かった.
映画が始まる前から画面にはビートの効いたベースが響き始める.これでもう半分くらいは映画に引き込まれてしまう.
1960年代,活況のデトロイトで黒人アマチュアミュージッシャンのコンテストが開かれている.踊りながらコーラスを聴かせる男女のグループ,ギターを弾き歌うブルースシンガー.
遅刻して最後に登場した女性3人組のドリーメッツは,メインヴォーカル・エフィーの爆発的な歌唱力で会場の絶賛を浴びる.
居合わせた中古車販売業兼マネージャーのカーティスは,ドリーメッツを新進の歌手ジミー・アーリーのバックコーラスに売り込み成功,プロとしての彼女たちのキャリアがスタートする.
やがてカーティスが中古車販売を売り払って本格的にマネージャに関わるや,彼らは黒人ラジオ局からメジャーに進出,全米ヒットを連発してスターダムにのし上がっていく….
と言う映画だが,無論単なるサクセスストーリーではなく,波瀾万丈別れと再会の物語でもあり,音楽的にはソウルフルなR&B系の音楽とコマーシャルなダンスナンバーの対比の物語でもある.
この映画の魅力は楽曲の魅力とそれを歌い演じる俳優の魅力に尽きる.
とにかく冒頭からエンディングまで,殆ど音楽の途切れる間がない.次々に繰り出される楽曲は,R&Bからダンスナンバー,アップテンポのコーラスからしみじみとしたバラードまで,全く観客を退屈させずだれずに最後まで突っ走る.
男優陣は既に折り紙付きの俳優達だが,小太りながら見事な歌唱力で爆発的なエネルギーを発揮するジェニファー・ハドソンが素晴らしい.一方,美貌だけかと思っていたビヨンセ・ノウルズの映画中盤のバラードも,素敵だった.
彼女らの最後のステージの情景は,ダイアナ・ロスとシュープリームスの最後のヒット「またいつの日にか」を思い出させて印象的である.
音楽映画はもとより好きだが,僕には駄目だった「シカゴ」と比べ,この映画にはあっと言う間に引き込まれ,泣いたり笑ったりしながら楽しんだ.
その違いは何だろうか?
★★★★(★5個が満点)
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コメント
ほんやら堂さん 今晩は。TBありがとうございます。
「シカゴ」はダメでしたか。僕は両方とも楽しめました。昔のミュージカル映画はさほど好きではないのですが、最近のものは結構好きですねえ。
ジャニファー・ハドソンやエディ・マーフィのような濃いソウル・ミュージックが僕は好きです。ビヨンセも意外に良かった。ぐいぐい引きつけて最後まで飽きさせません。力作だと思いました。
投稿: ゴブリン | 2007/11/18 00:24
ゴブリン様
TB・コメント有り難うございました.
ブラックミュージックは迫力が鼻についてしまうこともあるのですが,この映画の音楽は,ずいずいと心の中に入ってきました.
音楽・俳優共に素晴らしい映画だったと思います.
投稿: ほんやら堂 | 2007/11/19 22:02