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2007/11/12

独断的映画感想文:鉄コン筋クリート

日記:2007年11月某日
映画「鉄コン筋クリート」を見る.1
2006年.監督:マイケル・アリアス.
声の出演:二宮和也,蒼井優,伊勢谷友介,宮藤官九郎,本木雅弘,田中泯.
松本大洋原作のコミックの映画化.
宝町にちんぴら二人組が乗り込んでくる.宝町を仕切る「ネコ」と呼ばれる少年を倒すためだ.
街で出会った子供シロと話をしていると突然クロという少年に襲われる.シロとクロこそがこの街を仕切る「ネコ」だったのだ.
宝町中を駆けめぐって戦う二組の少年達,遂に侵入者はこてんぱんにのされてしまう….
義理と人情とやくざの街宝町は,おもちゃ箱をひっくり返したようなアジア的混沌の街,クロとシロは兄弟のようにしてこの街に住むストリートチルドレンだ.
ある日この街に古手のやくざ「ネズミ」が子分を連れて舞い戻ってくる.3
更に恐るべき3人の殺し屋を連れ「ヘビ」が乗り込んでくる.彼らは宝町を地上げし,ここにレジャーランドを作ろうという計画のもとに動き出す.
街を守るためネズミの子分木村に戦いを挑んだクロは,その事務所に単身乗り込んで木村を袋だたきにしてしまうが,ヘビの指令を受けた殺し屋に襲われシロは瀕死の重傷を負う….
ためらわずに暴力をふるう存在ではあるが,純粋無垢な天使でもあるシロとシロを守るために命をかけるクロ.彼らと対決するが義理と人情も持ち合わせる旧式のやくざネズミ,金のために機械的に人を殺していく現代やくざのヘビ.
暴力を軸に展開されるこの3者の物語は緊張感溢れ,シロとクロの結びつきには涙を禁じ得ない.2
完成度の高い独特のイメージで綴るユニークなアニメ映画である.
声優の二宮和也と蒼井優の出来も素晴らしい.
冒頭のまるで「ウエストサイド・ストーリー」の出だしを思わせる2組の少年達の争闘からエンディングまで,一気に見て満足感深し.
一件の価値ある映画.★★★★☆(★5個が満点)4
蛇足:ところで「鉄コン筋クリート」とは,僕の記憶では1959年に毎日小学生新聞に連載が始まった園山俊二の漫画「がんばれゴンベ」に出てきた言葉である.主人公の猿ゴンベがグロッキーになるとき発する叫びが「テッコンキンクリート」だった.漢字交じりになったのがいつからだかは知らない.
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コメント

こんばんは!TBありがとうございました。
ほんやら堂さん、『サマリア』のところのコメント』では、内容がおかしなものになってしまい、大変失礼いたしました!
ほんやら堂さんのお書きになった『サマリア』を一度読み、また『記憶の棘』を読み・・・と、ウィンドウを開いて行ったりきたりしている間に、間違ってしまいました。
申し訳なかったです。

ところで、この作品、ほんやら堂さんも気に入られたようで、とっても嬉しかったです^^
しかし、「テッコンキンクリート」は、元ネタがあったのですね!知らなかったので、得した気分です☆

投稿: とらねこ | 2007/11/12 23:40

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» #19.鉄コン筋クリート [レザボアCATs]
“宝町”を根城に徘徊している、“ネコ”のシロ(声:蒼井優)とクロ(声:二宮和也)は、親のいない子供たち。いつもかっぱらいとか、ケンカとか、とにかくこの辺りで一番の強いのだ。昔なじみのヤクザ、“ネズミ”−鈴木(声:田中萊)が帰ってきた辺りから、宝町の空気に....... [続きを読む]

受信: 2007/11/12 23:36

» 鉄コン筋クリート/二宮和也、蒼井優 [カノンな日々]
フタリ イッショ ジャナイト ミラレナイ 予告編からして独特の雰囲気が漂っていたんだけど、本編にはかなり圧倒されちゃいました。一見、淡くて平面的な世界のようでいて、とてもビビッドで奥行きが深いんですよ。そんでもって毒々しく重々しかったりする一方で不思議と温...... [続きを読む]

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