独断的映画感想文:シルク
日記:2008年2月某日
映画「シルク」を見る.
2007年.監督:フランソワ・ジラール.音楽:坂本龍一.
マイケル・ピット,キーラ・ナイトレイ,役所広司,芦名星,中谷美紀,アルフレッド・モリナ,國村準.
絹糸を生産しているヨーロッパのとある村(フランスらしい),疫病で蚕がやられ,蚕の買い付けに若いエルヴェが行くことになる.
軍を退役し恋人エレーヌと結婚した彼は,エジプトでの買い付けに成功するが,更に日本へ買い付けに行くことになる.
ロシア経由で酒田に入港したエルヴェは信州に潜入し,有力者原十兵衛の知遇を得て蚕の買い付けに成功する.原の家でその美しく若い妻のもてなしを受けたエルヴェは彼女が忘れられなかった.
エレーヌを心から愛しながら,エルヴェは再び日本に蚕の買い付けにでかけ原十兵衛と再会する.その妻は滞在中彼に女を世話し,密かに一通の手紙を彼に渡すのだった….
ストーリーは単純と言えば単純だが,夢のようなふわふわとした話である.
原十兵衛の妻は名前が無く(エンドロールでも「少女」となっている)台詞もない.只その「神秘的な美しさ」にエルヴェが惹かれるのみ.
また彼女の描き方も似而非ジャポニズム風で,あまり良い気持ちはしない.
僕は元来外国映画で描かれる日本人の扱いには寛容な方で(爆),「サユリ」も「ラスト・サムライ」も特に問題はないと考えてきたが,今回の「少女」の立ち居振る舞いはペケと思う.
しかしまあ原作(「海の上のピアニスト」のアレッサンドロ・バリッコ)がそうなっているのであれば致し方ない.
映像は美しく音楽(坂本龍一によるソロピアノを多用したもの)は素敵.
魅力はあるが,なんだったかよく判らないというところの残る映画.
★★☆(★5個が満点)
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