独断的映画感想文:幸せのちから
日記:2008年3月某日
映画「幸せの力」を見る.
2006年.監督:ガブリエレ・ムッチーノ.
出演: ウィル・スミス(クリス・ガードナー),ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(クリストファー),タンディ・ニュートン(リンダ),ブライアン・ホウ(トゥイッスル),ジェームズ・カレン,カート・フラー.
実話に基づく映画.
1981年,サンフランシスコ.
クリス・ガードナーは医療機器の販売をしているがさっぱり売れず,5歳の息子クリストファーを保育所に預けて悪戦苦闘している.妻リンダは病院で働いているが,それでも家賃は払えず,駐車違反の罰金も払えない.
この生活から抜け出そうと,クリスは株式仲買人の道を目指し,必死に売り込んで証券会社の研修生に採用される.しかし研修生は6ヶ月間無休,しかも正職員に採用されるのは20人の内たったの一人.
妻にも去られたクリスはこの最後のチャンスを生かそうとクリストファーの世話をしながら必死に働くが,そのうち家賃滞納でアパートを,次にはモーテルを追い出されついにホームレスの過酷な生活を強いられる….
この映画は親子の情愛ものとかサクセスストーリーとか,そういう生半可な映画ではない.
クリス親子の生活,特にホームレスになってからの暮らしは半端なものではない.
この期間彼は研修所を早引きして保育所で息子を受け取り,救貧施設のベッドを求めて教会の前の列に並ぶのだ.ベッドがいっぱいになればもう野宿しかない.
この生活の果てに彼は正職員に採用され,最後には億万長者になるのだが,採用されなかったらどうなったのだろう.
映画の大半はこの過酷な生活の描写に割かれ,その印象は重苦しい.
クリスという人は才能があって最後には成功したのだろうが,アグレッシブで自己中でもあり,付き合いやすい人物ではなさそうだ.
妻のリンダは彼と息子を愛していたが,途中で耐えかねてニューヨークへ行ってしまう.それ以降リンダの話題は全く出てこない.彼女はどうなってしまったのか,それも気にかかる.
という訳でいろいろ文句もつけたい映画だが,クリスとクリストファーを演じる実のウィル・スミス親子の魅力に,最後まで引っ張られた.
★★★☆(★5個が満点)ってところか.
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