独断的映画感想文:ティン・カップ
日記:2008年5月某日
映画「ティン・カップ」を見る.
1996年.監督:ロン・シェルトン.
出演:ケヴィン・コスナー.レネ・ルッソ,ドン・ジョンソン,チーチ・マリン.
街道を外れたゴルフ練習場,アルマジロがちょろちょろと走っている.
その練習場の裏のトレーラー・ハウスに住むロイ・“ティン・カップ”・マカヴォイは,伝説のプロゴルファー.若い頃はライバル・シムズと張り合った仲だったが今や彼はツアープロ,ロイは時給7ドルのレッスン・プロ.
博打に眼がなく,プレイでもいざというときは一か八かの勝負に走る彼は,酒と女を愛し,唯一の理解者ロミオと一緒に気楽に暮らしている.
ある日彼を指名して教わりに来た初心者モリーは,精神科医でシムズの恋人だった.彼女に一目惚れしたロイは,U.S.オープン出場を決意するが….
僕はゴルフは全くしないしできないが,ゴルフの雰囲気は嫌いではない.ケヴィン・コスナーも好きである.ということで見た映画だが,まあ隙だらけの映画.
ストーリー展開は一直線の,やさぐれ男一念発起のゴルフ成功・恋愛成就の物語.特にひねりもなく裏をかかれることもなし.
ほとんどけだるいといった感じの展開で,気楽に見るのが一番.
ケヴィン・コスナーはしかしスポーツものは体が良く動いて感じが良い.特にゴルフ道具を質入れし,それを受け出すためにバット,シャベル,熊手等の道具で賭ゴルフをするシーンは,なかなかの傑作です.
ところがこの映画,最後の15分で目が覚める.
ここから先はネタバレです.
U.S.オープン優勝目前のロイが,それまでの3日間いずれも池ポチャに終わっていた最終18ホール,なんとここでも果敢に2オン狙いの池越えに挑戦(刻めば優勝間違いなしだったのに),会心の一打はしかし突然吹いた風のためにグリーンから転がり落ちまたもや池ポチャとなる.
その後ロイは同じ場所から池越しに打って打って打ちまくり,球は池に落ち続け,ついにこれが失敗したら失格という最後の第12打は天高く舞い上がる….
この場面は理屈抜きに感動する.この映画の真骨頂はこのシーンにあるだろう.
エピローグはまた少しかったるいが,そんなことはどうでも宜しい.
スポーツものはこれがあるからやめられない.
★★★★(★5個が満点)
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