独断的映画感想文:パッチギ!LOVE&PEACE
日記:2008年6月某日
映画「パッチギ!Love&Peace」を見る.
2007年.監督井筒和幸.
出演:井坂俊哉(李安成(アンソン)),中村ゆり(李慶子(キョンジャ)),西島秀俊(野村健作),藤井隆(佐藤政之),風間杜夫(ビョンチャン),キムラ緑子(兄妹の母),ラサール石井(三浦プロデューサー),杉本哲太(「太平洋のサムライ」監督),麿赤兒(石橋中将役の大物俳優),でんでん(ライトエージェンシー社長),寺島進(イカ釣り船の船長),国生さゆり(お志摩),田口浩正(南プロデューサー),山本浩司(ライトエージェンシー松井),松尾貴史(ギャグ好きのおじさん),中村有志(宇野重吉)(これどういう洒落か?),温水洋一(マスター),木村祐一(漁船の船長).
話題作「パッチギ!」の続編だが,これほどむちゃくちゃな映画も珍しい.
映画は難病の息子をかかえるアンソン,芸能界の仕事を始め戦争映画の日本人ヒロインを演じるキョンジャ,彼らの父達の徴兵忌避事件を軸に進むのだが,まず続編と言っても俳優陣は総取っ替え,おまけに前作で主人公であった松山康介は今回は出てこない.冒頭の突然始まる主人公達と国土館高校応援団との殴り合いも,何故そうなるかは全く判らず(特に説明の必要もないが).
おまけにアンソンの息子が筋ジストロフィーだという難病テーマが,突然主題の一つに入っている.
映画の進行に伴って挿入されるアンソン等の父親の,徴兵忌避からヤップ島守備戦に巻き込まれるにいたる物語も,何のことか判然としない.
突っ込みたいところは山のようにあるが,何故か最後まで見てしまうのは,ひとえにこの映画の異常な迫力・エネルギーにあるのだろう.このチャンスに言いたいことを皆詰め込み言ってやろうという,制作者の構えに圧倒される思いだ.
この映画は大勢で見て,その後つっこみ大会をやるのが正しい見方かも知れない.
この映画は文化庁の支援を受けているようだが,文化庁の太っ腹を褒めるべきか.幸か不幸か,週刊新潮の取り上げるところにはならなかったようである.
俳優ではアンソンとキョンジャを演じた両名が,共に新人ながら見応えあり.藤井隆のようなお笑いが副主人公等を演じるのは,個人的には好きではない.
★★★(★5個が満点)
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コメント
TBありがとう。
>この映画は大勢で見て,その後つっこみ大会をやるのが正しい見方
そうなんですけどね。
みんなに声をかける気力もありまへんがな、この出来では(笑)
投稿: kimion20002000 | 2008/06/12 17:11