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2008/06/11

独断的映画感想文:山桜

日記:2008年6月某日
映画「山桜」を見る.1
2008年.監督:篠原哲雄.
出演:田中麗奈(磯村野江),篠田三郎(浦井七左衛門),檀ふみ(浦井瑞江),北条隆博(浦井新之助),南沢奈央(浦井勢津),富司純子(手塚志津),高橋長英(磯村左次衛門),永島暎子(磯村富代),村井国夫(諏訪平右衛門),東山紀之(手塚弥一郎).
藤沢周平原作の時代劇.
冒頭,伯母の墓参りをすませ春の野辺を歩く磯村野江,美しく咲き誇る山桜に目をとめる.
その枝を取ろうと背伸びするが届かず,足袋を汚してしまう.その野江の後から「手折って進ぜよう」と声をかけ山桜の枝を折り取ってくれたのは,手塚弥一郎,かって野江とのあいだに縁談のあった男である.
野江は最初の夫の死後磯村に嫁いだが,磯村の家は金貸しが本業の如き家で,権力者に取り入り金貸しに励む夫に,野江は心を許すことができない.4
「今は幸せでござろうな」と言って去って行った弥一郎に,野江は心和むものを感じるのだった.
折しも権力者の座にある諏訪平右衛門は,富農と結託した新田開発を強行し,不作にあえぐ農民の不満は高まる一方だった.その諏訪平右衛門をある日手塚弥一郎が襲い殺害する.野江の心は激しく騒ぐ….
原作は短編であり,しかもラストの1行のために全編があるような作品,映画化は難しかろうと思っていたが,原作に思い入れのある作品としてはまずまずの出来に思える.
特に庄内の美しい風景,季節の鳥の声などが心にしみる.
田中麗奈,壇ふみ,東山紀之等の俳優の押さえた物静かな演技も期待通り.特筆すべきは富司純子で,彼女が登場した瞬間から映画の格まで変わったかのように感じた.彼女と田中麗奈が演じる映画のラストは,この映画の最大の見せ場と言えよう.5
ところがこの二人の演技が未だ続いている最中に,一青窈の歌う主題歌が突然始まったのには吃驚した.この極めて現代的な一青窈の歌の挿入は,それまで99分間積み上げてきた感動をまさにラスト1行でぶち壊すものとしか思えない.
監督は時代劇は初めてだそうだが,次回からはこういうことは止めて欲しい.
この歌をいれなければ★★★☆.この歌をいれれば★(★5個が満点).
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受信: 2008/06/11 23:55

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■動機 田中麗奈と東山紀が時代劇で共演 ■感想 明かりが消えて再び点くまでが映画です ■満足度 ★★★★☆☆☆ そこそこ ■あらすじ 江戸後期、北の小国、海坂。不幸な結婚生活に耐えながら暮らす野江(田中麗奈)はある日、叔母の墓参りの帰り、山道に咲く山桜を見つける。花に手を伸ばすと1人の武士(東山紀之)が現れる。彼は野江が今の婚家に嫁ぐ前に縁談を申し込んできた相手、手塚弥一郎だった。自分を気遣ってくれる人物の存在に勇気づけられる野江だったが、手塚は悪政をたくらむ藩の重臣を斬ってしまう... [続きを読む]

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□作品オフィシャルサイト 「山桜」□監督 篠原哲雄 □原作 藤沢周平(「時雨みち」) □脚本 飯田健三郎、長谷川康夫 □キャスト 田中麗奈、東山紀之、篠田三郎、檀ふみ、村井国夫、富司純子■鑑賞日 6月8日(日)■劇場 109CINEMAS川崎■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 久しぶりに、鼻の奥が熱くなり、どめどなく涙が頬を伝う映画だった 深い感動というのではなく、清々しさが感じられる涙だった。 こういう映画を観るとつくづく日本人だなぁと実感する。 それは単に時... [続きを読む]

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