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2008/08/17

独断的映画感想文:僕のピアノコンチェルト

日記:2008年8月某日
映画「僕のピアノコンチェルト」を見る.Pc1
2006年.監督:フレディ・ムーラー.
出演:テオ・ゲオルギュー(ヴィトス・フォン・ホルツェン(12歳)),ブルーノ・ガンツ(祖父),ジュリカ・ジェンキンス(ヘレン・フォン・ホルツェン),ウルス・ユッカー(レオ・フォン・ホルツェン),ファブリツィオ・ボルサニ(ヴィトス・フォン・ホルツェン(6歳)),エレニ・ハウプト,タマラ・スカルペリーニ.
映画の冒頭,鞄を提げた少年が飛行場に侵入.とある小型機に歩み寄るとドアの鍵を開け乗り込み,エンジンを始動.駆け寄る整備員の制止を振り切ると,飛行機は空に舞い上がる….
ヴィトス・フォン・ホルツェンは天才児,幼稚園児なのに辞典を読み,地球温暖化の恐ろしさを説いて友達の園児をびびらせている.Pc4
特にピアノの才能は素晴らしく,譜面を独力で読んで難しい曲もマスターしてしまう.ついに幼稚園は退園し,ベビーシッター・イザベルがやってくるがヴィトスは彼女に一目惚れしてしまうのだった….
12歳になったヴィトスは高校に通うが,授業は退屈で教員・同級生を馬鹿にするためトラブルが絶えない.母親ヘレンは彼をピアニストに大成させるためその自由をことごとく奪うため,ヴィトスは閉塞感に悩まされる.
ついにある日ヴィトスは,ベランダから幼い日に祖父と作った翼をまとって飛び降りてしまう.幸い怪我はなかったが,脳しんとうの昏睡から目覚めた彼はただの凡才になっていた….
この映画は楽しいファンタジーであり,かつ主人公のピアノの腕前を楽しむ音楽映画でもある.
とにかく6歳の子役ファブリツィオ君の可愛らしさ,12歳を演じるテオ君の本当のピアノの天才ぶりには,うっとりしてしまう.Pc5
この天才が人生を悩み,おじいちゃんや父親との交流で道を開いていく過程が印象的である.
特におじいちゃんは素敵で,子供の頃から空にあこがれたがチャンスに恵まれず,家具作りの木工職人として成功した人だ.
そのおじいちゃんが天才ヴィトスが株の操作で儲けた金で買ったものは本格的飛行訓練シミュレーター.これで祖父と孫は数百時間の飛行訓練を繰り返すのだ.
物語の進展は波瀾万丈で,ヴィトスが自分を解放していくくだりは(株のインサイダー取引っぽいやり方は必ずしも支持されるとは限らないが)なかなか面白い.Pc6
天才少年の物語が嫌みにならないのは,結局すべてのエネルギーがピアニストという大きな目標に収れんするからで,最後のフルオーケストラを従えてのコンサートはやはり感動的.
この後映画は冒頭のヴィトスの飛行シーンに戻り終局となる.見て損はなし.Pc2
★★★★(★5個が満点)
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コメント

TBありがとうございました。
私もこの作品、なかなかに気に入った作品となりました。
天才児を育てる映画というと、ジョディ・フォスターの監督した映画『リトルマン・テイト』を思い出したりします。

子供の持つ翼をどう活かすか・・
普通の子でもそうですが、こと天才児となると、育てるのも難しそうですね。

投稿: とらねこ | 2008/08/27 15:30

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※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。 鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。 (原題:Vitus) ----今年って天才ピアニストの映画が多くニャい? すでに公開されたところでは『神童』。 この夏が『ピアノの森』に『私のちいさなピアニスト』、 そして『僕のピアノコンチェルト』。 「うん。『私のちいさなピアニスト』は韓国映画。 ある女性ピアニストが自分が果たせなかった夢を 偶然見いだした天才少年に託すと言うお話。 で、この少年というのが事故で両親と死... [続きを読む]

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» #166.僕のピアノコンチェルト [レザボアCATs]
なんだか愛らしい作品だった。シリアスすぎたり、いろいろなことを考えさせる、という重い映画ではなく。心のどこか温かい場所に、このスイス映画は、きっと収まるような気がしている。... [続きを読む]

受信: 2008/08/27 15:19

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