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2008/10/30

独断的映画感想文:エディット・ピアフ~愛の讃歌~

日記:2008年10月某日
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」を見る.
2007年.監督:オリヴィエ・ダアン.
出演:マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ),シルヴィー・テステュー(モモーヌ),パスカル・グレゴリー(ルイ・バリエ),エマニュエル・セニエ(ティティーヌ),ジャン=ポール・ルーヴ(ルイ・ガション),ジェラール・ドパルデュー (ルイ・ルプレ),クロチルド・クロ(アネッタ),ジャン=ピエール・マルタンス(マルセル・セルダン),カトリーヌ・アレグレ(ルイーズ),マルク・バルベ(レイモン・アッソ),カロリーヌ・シロル(マレーネ・デートリッヒ),1
マノン・シュヴァリエ(エディット・ピアフ(5歳)),ポリーヌ・ビュルレ(エディット・ピアフ(10歳)).
偉大なシャンソン歌手,エディット・ピアフの伝記ドラマ.
街角で歌う歌手だった母に捨てられ,祖母の元で育っていたエディットは,第1次大戦から復員した父に連れだされ,その母が経営する娼館で育てられる.
その後父は大道芸人にカムバックし,エディットはその父について街角に立つうち,歌を歌うことに目覚めるのだった.2
その後独立し街角で歌っていたエディットは,クラブのオーナー,ルイ・ルプレにスカウトされ,デビューする.その声はたちまち評判となり大成功を収めるのだが….
音楽映画はもとより好きである.
この映画では,観客はピアフの歌声にまず圧倒されるだろう.その力強く筋の張った,しかも表現力豊かな歌声は,ピアフ本人の実際の音源を使っているらしい.3
ピアフ本人を演じる俳優(達)も素敵.10歳のポリーヌ・ビュルレもそうだが,マリオン・コティヤールが何といっても素晴らしい.特に最愛の恋人,ボクサーのマルセルをなくすエピソードの描写には涙を禁じ得ない.
ところで,映画は幼少のエディットの描写と,最晩年のエディットの描写を交互に積み重ねる形で進行するのだが,この形式は如何にも不都合である.4
エディットが成功し最盛期を過ぎる頃には,この形式の描写は前後関係が完全に混乱してくる.実際,エディットが全治2ヶ月の重傷を負う自動車事故が何時起こったのかは,画面からはよく判らず仕舞いだった.このような伝記映画の場合は,最晩年のエディットは固定した場面としてしまう等の工夫が必要ではないか.
そういう不都合にも拘わらず,ピアフの魅力を十分楽しめる映画.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント

ほんやら堂さん TBありがとうございました。忙しさにかまけて、コメントが遅くなってしまいました。
結構厳しい評価ですね。でも、ご指摘のとおり、あの形式は確かに分かりづらい面があります。それでも、「そういう不都合にも拘わらず,ピアフの魅力を十分楽しめる映画」という評価に落ち着いている点は僕も同感です。

投稿: ゴブリン | 2008/11/05 02:20

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