独断的映画感想文:幽閉者 テロリスト
日記:2009年1月某日
映画「幽閉者 テロリスト」を見る.
2006年.監督:足立正生.
出演:田口トモロヲ(M),PANTA(肖像人物),大久保鷹(マフラー男),梶原譲二(真面目屋),ARATA(サブリーダー),本多章一(リーダー),山本浩司(痩せの囚人),柄本時生(少年M),比嘉愛未(少女),仲野茂(保安情報部の中尉),荻野目慶子(長姉・女リーダー).
かってベイルートに渡り,日本赤軍に所属した足立正生による35年ぶりの監督作品.1972年のリッダ空港事件の実行者岡本公三をモデルとした作品.
3人で空港襲撃を行ったMは計画通り作戦を実行したが,一人手榴弾の不発で捕らえられてしまう.彼は独房に幽閉され,拷問,暴行,薬剤投与を受ける過酷な生活を強いられる.
次第に混乱と狂気に蝕まれるMは,自分の来し方行く末を自問するのだった….
映画はわずかな回想シーンを除けば殆どが独房の中での暴行シーンの繰り返しで,誠に見るのが辛い映画.
この映画の問題点は中途半端な抽象化にあるのではないだろうか.
独房内で暴行される幽閉者という存在を描くならもっと徹底的に抽象化した方が良かった.日本赤軍の闘士を描くというコンセプトは,今の日本では受け入れられないし,ヒステリックな反対論者の悪口雑言罵詈讒謗を浴びるだけという気がする.
また,映画の出来自体は田口トモロヲの熱演にもかかわらず退屈で,60年代風の安っぽい画面作りが気になってしまう.
ノイズィな音響を多用した音楽は良かったと思うが,画面はそれに合っていなかった.
正月TVで柄本明が昨年のベストと言っていたが,時生君が出ているからってそこまで言わなくても.
★☆(★5個が満点)
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