独断的映画感想文:あの胸にもういちど
日記:2009年2月某日
映画「あの胸にもういちど」を見る.
1968年.監督:ジャック・カーディフ.
出演:マリアンヌ・フェイスフル,アラン・ドロン,ロジャー・マットン,マリウス・ゴーリング,カトリーヌ・ジュールダン.
レベッカはアルザスの書店の娘,小学校の教師レイモンと結婚する直前,スキー宿で書店の顧客だったハイデルベルヒの大学教員ダニエルと結ばれる.
ダニエルにオートバイの乗り方を習ったレベッカは,ダニエルから送られたハーレイダビットソンを乗りこなし,レイモンと結婚後もハーレイを駆って130キロ離れたハイデルベルヒのダニエルの元に通うのだった….
「60年代のミック・ジャガーの恋人」だったマリアンヌ・フェイスフル,その美しい裸身に直接着るレザーのつなぎ,疾走するハーレイ・ダビッドソンのバイク.この映画はこれらのキーワードが圧倒的で,大スター,アラン.ドロンさえ影が薄い存在だ.
映画の作りは安っぽくて,フェイスフルもドロンも実際にはバイクに乗らず,バイクシーンはスタントを使っているようだが,そんなことは問題ではない.
何と言ってもこの映画はフェイスフルの映画なのだ.
レベッカの少女のようにあどけない笑顔,奔放な行動,そしてセックス.ダニエルとの情事の後の,その官能的な表情の生々しさはどうだろう.
そしてその衝撃的なラストシーンも,「イージー・ライダー」のラストシーン同様,長く印象に残るだろう.
これも映画の魅力を存分に発揮した作品.★★★☆(★5個が満点)
蛇足:フェイスフルは,同じ年に「若草の萌える頃」で主役を演じたジョアンナ・シムカスと並んで忘れられない女優.ところでこの映画の原題は「バイクに乗る少女」で,日本語名の方が素敵.一方「若草の萌える頃」の原題は「ジタおばさん」で,こっちはどちらが勝ちとも言えない.
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