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2009年4月に作成された記事

2009/04/28

独断的映画感想文:最高の人生の見つけ方

日記:2009年4月某日
映画「最高の人生の見つけ方」を見る.
2007年.監督:ロブ・ライナー.1
出演:ジャック・ニコルソン(エドワード・コール),モーガン・フリーマン(カーター・チェンバーズ),ショーン・ヘイズ(トマス),ビヴァリー・トッド(バージニア),ロブ・モロー(ホリンズ医師).
ベテランの修理工にして雑学王のカーターは,愛妻バージニアと学生時代に結ばれたが,彼女の妊娠により大学を中退,車の修理工として45年間を過ごしてきた真面目で愛情深い黒人男性.
一方エドワードは一代で巨万の富を築いた傲慢不遜な病院理事長.この二人が同じ病室に入院し,ともに末期癌であと半年の命と宣告される.2
次第に友情を深めていく二人,やがてカーターが作った「棺桶リスト(死ぬ前にしたいことのリスト)」を見たエドワードは,二人でそれを実行しようと病院を抜け出し,まずはスカイダイビングから始めようと飛行機をとばす….
二人のベテラン俳優以外は主な登場人物は秘書トマスと愛妻バージニアくらいだが,その俳優のいずれもが味があって素敵.
二人がリストを次々と消化していくその過程がよく練られていて映画に引き込まれる.4
旅が始まってみると,いささか80日間世界一周に似た設定.金に飽かせた2人の冒険旅行が,忠実な秘書トマスの段取りで進行していく.
繰り出されるエピソードの数々がうまく組み合わせてあって,最後まで楽しめる.個人的にはエドワードが巨万の富を持つという前提はずるいと思うが,まあそこは目をつむりましょう.
見て損は無し.★★★☆
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2009/04/27

独断的映画感想文:西の魔女が死んだ

日記:2009年4月某日
映画「西の魔女が死んだ」を見る.6_2
2008年.監督:長崎俊一.
出演:サチ・パーカー(おばあちゃん),高橋真悠(まい),りょう(ママ),大森南朋(パパ),高橋克実 (郵便屋さん),木村祐一(ゲンジ).
中学生というがまだ幼さの残るまいは,登校拒否.父が単身赴任,母も仕事を持つため,まいは田舎の英国人のおばあちゃんに預けられる.
大好きなおばあちゃんとの田舎暮らしはまいにとって新鮮なもの,魔女の血を引くというおばあちゃんの話を聞いて自分にもその血が流れていると知ったまいは,おばあちゃんの指示に従い魔女修行を始める….5_2
まだ幼年期といったまいが,思春期の荒海に乗り出していく成長の過程を描く.
その時期の押さえがたい自分の思い,言いようのない不安,死への恐怖.その一つ一つにおばあちゃんの助けで対応して行くまいの成長は,しかし同時におばあちゃんから独り立ちしていく過程でもある.
両親の同居に伴っておばあちゃんに別れを告げるまいは,無条件に「おばあちゃん大好き」と言えた幼年期のまいではなかった….4_2
美しい自然の中で成長するまいを描くこの作品は,しかしおばあちゃんのまいへの言葉がそのまま大人の観客を癒す言葉でもある.
映画の最後で示されるまいとおばあちゃんの新しい関係は,爽やかな印象を観客に残すだろう.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:スラムドッグ$ミリオネア

日記:2009年4月某日
映画「スラムドッグ$ミリオネア」を見る.2
2008年.監督:ダニー・ボイル.
出演:デヴ・パテル(ジャマール・マリク),マドゥル・ミッタル(サリーム・マリク),フリーダ・ピント(ラティカ),アニル・カプール(プレーム・クマール),イルファン・カーン(警部),アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール(ジャマール(幼少期)),アズルディン・モハメド・イスマイル(サリーム(幼少期)),ルビーナ・アリ(ラティカ(幼少期)).
映画冒頭,突然拷問を受けている青年.
映画の進行につれ,青年はクイズ番組ミリオネアで勝ち進み,後1問で最高額の2000万ルピー獲得というところまで来ていたことが分かる.
ところが警察が,無学なスラム出身の青年がそれほど勝ち進める筈がないと,不正行為の疑いで取り調べることになったのだ.取調室で青年は,自分の生い立ちを語り,その生い立ちで起きた様々なことが不思議なことにクイズの問題として出てきたので答えられたのだと説明する….5
ムンバイのスラムで育ったジャマールとぞの兄サリーム,ところが母はイスラム教徒への襲撃で殺され,兄弟は同じ境遇の孤児ラティカとともにスラムで生き延びていく.
映画は果てしなく続くスラムの衝撃的な生活を描きつつ,たくましく生きる兄弟とラティカの純愛を描いていく….
スラムの圧倒的な現実を描きながら,物語は奇跡と恋とのファンタジーだ.ラティカとジャマールの運命に観客はぐいぐい引き込まれるだろう.6
劇的な結末の後の如何にもインド映画らしいエンドロールのダンスシーンには笑わされ,また涙を禁じ得ない.映画全体にちりばめられたインド風ポップスも印象的.映画の楽しさを存分に楽しめる映画.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

日記:2009年4月某日
映画「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」を見る.4
2007年.監督:マイク・ニコルズ(卒業,日の名残,クローサー).
出演:トム・ハンクス(チャーリー・ウィルソン),ジュリア・ロバーツ(ジョアン・ヘリング),フィリップ・シーモア・ホフマン(ガスト・アブラコトス),エイミー・アダムス(ボニー・バック),ネッド・ビーティ(ドク・ロング).
事実に基づく映画である(らしい).
1980年代,テキサス選出の議員チャーリーは面倒見が良くて女と酒にはめっぽう弱い.そのオフィスはスタッフ全員が美女軍団.
そのチャーリーが,恋人で有力者のジョアンナの依頼でパキスタンに飛び大統領と会う.
難民キャンプでソ連軍の蛮行を見聞きしたチャーリーは正義感を刺激され,CIAの落ちこぼれエージェント・ガストの協力を得て所属する委員会から闇の資金を引き出そうと奔走,ついには委員長の支持を得て10億ドル規模の資金でアフガンゲリラに高性能兵器を供給,ソ連軍の撤退につながる戦果を得る….7_2
周知の如く,この1議員の大活躍が後に裏目に出てアフガンの泥沼の内戦と9/11を招くことになるわけだが,そんなこととは夢にも思わず誇らしげに奔走するチャーリーとジョアンナ・委員長らの,如何にもアメリカ人らしい独善的暴走が描かれる.
フィリップ・シーモア・ホフマン演ずる冷めたCIAエージェントの,「人間万事塞翁が馬」の箴言の繰り返しが印象的.
ジュリア・ロバーツは年を取りましたね!(映画ではビキニ姿も披露しているけど),これからはこういう否定的な役柄が増えていくんでしょうか.
映画全体はコメディ調とシリアス調が中途半端に混ざっていてノリがもう一つ.1
ガストの報告と議員がヤクで追究されるのを防ごうという美女軍団との打合せが,入れ替わり立ち替わり行われる中盤のどたばたが可笑しかった.全編このムードで行ったら良かったのに.
★★★☆(★5個が満点)
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2009/04/14

独断的映画感想文:ロング・エンゲージメント

日記:2009年4月某日
映画「ロング・エンゲージメント」を見る.6
2004年.監督:ジャン・ピエール・ジュネ.
出演:オドレイ・トトゥ(マチルド),ギャスパー・ウリエル(マネク),ジャン=ピエール・ベッケル(エスペランザ),ドミニク・ベテンフェルド(アンジュ・バシニャーノ),クロヴィス・コルニアック(ブノワ・ノートルダム),マリオン・コティヤール(ティナ・ロンバルディ),ジャン=ピエール・ダルッサン(ゴルド伍長),ジュリー・ドパルデュー(ヴェロニック・パッサヴァン),アンドレ・デュソリエ(ピエール=マリー・ルヴィエール),ティッキー・オルガド(ジャルマン・ピエール),ジェローム・キルシャー(バストーシュ),ドニ・ラヴァン(シ・スー(フランシス)),シャンタル・ヌーヴィル(ベネディクト),ドミニク・ピノン(シルヴァン),ジャン=ポール・ルーヴ(郵便配達人),ミシェル・ヴュイエルモーズ(プチ・ルイ),ジョディ・フォスター(エロディ・ゴルド),チェッキー・カリョ(ファブリエール大尉),リュファス(ベルトン),アルベール・デュポンテル(セレスタン・プー).2
第1次世界大戦,ブルターニュ地方の戦線.
兵士達は,降り注ぐ砲弾と機関銃火,毒ガスの恐怖と闘いながら塹壕に籠もっていた.その緊張に耐えられず,身体を自損して戦線離脱を図ろうとする兵士には,容赦ない軍法会議が待っていた.
フランス軍の5人の兵士が,その咎で死刑を宣告され塹壕を引き立てられる.彼らは丸腰で塹壕を叩き出されドイツ軍との戦線に放置され,その後戦死したとの広報が家族に届く.
その5人のうちの一人,まだ若いマネクの恋人マチルドは,不思議な直感で彼の生存を信じ,私立探偵に依頼しまた自分も調査に加わって,マネクの行方と5人の死の真相を突きとめようとする….5
マチルドは小児麻痺を患い左足が不自由,両親は事故で亡くなり叔父夫婦に育てられた.マネクは灯台守の子で,足が不自由な彼女の唯一無二の友達であり,後に恋人となった.
「マネクとマチルドは恋人」というMMMのマークは彼のシンボルマークだ.
5人の死の真相は錯綜しており,5人への特赦を握りつぶした連隊長等を殺害した未亡人のエピソードや,自分の除隊を図って友人と妻を関係させたばかりに,嫉妬により身の破滅を招いた兵士とその妻のエピソード等が,同時並行に語られる1
映画全体はファンタジー仕立てに作られているのにも拘わらず,戦争のむごたらしい現実は胸に迫る.
その中,自分の信念だけを頼りに諦めないマチルド.映画の結末には涙を禁じ得ない.
セピア色の映画の作りは印象的だ.時にユーモアを忘れない物語の進行も好ましい.
マネクとマチルドの初めての夜,マネクがマッチをするとマチルドが吹き消す.またマネクがマッチをつける.マチルドが吹き消す.マネクがマッチをつけるたびにマチルドが少しずつ裸になっていくという,エピソードが可笑しい.7
映画らしい映画.
★★★★☆(★5個が満点)
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2009/04/08

独断的映画感想文:レッドクリフ Part I

日記:2009年4月某日
映画「レッドクリフ Part I」を見る.Redcliff004
2008年.監督:ジョン・ウー.
出演:トニー・レオン(周瑜),金城武(孔明),チャン・フォンイー(曹操),チャン・チェン(孫権),ヴィッキー・チャオ(尚香),フー・ジュン(趙雲),中村獅童(甘興(特別出演)),リン・チーリン(小喬),ユウ・ヨン(劉備),ホウ・ヨン(魯粛),バーサンジャプ(関羽),ザン・ジンシェン(張飛).
三国志のうち,赤壁の戦いを中心とした物語を前後2編で描く,その前編.
80万の曹操軍に攻め込まれた蜀の劉備は辛くも逃れ,軍師孔明は孫権との同盟を得んと自ら呉の朝廷に赴く.
孫権は同情を示すが,老臣達の反対で話は進まない.孔明は呉の将軍周瑜との親交を深め,周瑜の協力で呉・蜀の同盟が成立する….Redcliff002
赤壁の戦いの直前までを描く歴史スペクタクル.
冒頭から延々と続く戦闘シーンは,人がばたばたと殺されいささかヘビーな感じはするが,中盤,周兪が登場する辺りからは,全体としての映画のバランスは良くなる.
特に周瑜と孔明を演ずる両俳優が宜しい.トニー・レオンは周瑜の人格を感じさせる味わいのある演技,また金城武も爽やかな軍師を演じて好印象.
「特別出演」(何が特別出演なのかは分からないが)の中村獅童君も頑張っている.Redcliff001
ところでこの映画は「三国志」の映画化というが,受けた印象はむしろ「三国志演義」の映画化というべきではないか.そう考えれば,劉備軍の関羽,張飛のばったばったと敵をなぎ倒す活躍も違和感は特にない.
八卦の陣の描き方などは,いささかギリシャ・ローマ史劇みたいで可笑しかったが.
女優では絶世の美女小喬の夫・周瑜への愛情あふれる姿と,孫権のじゃじゃ馬の妹・尚香の対比が印象的だった.Redcliff009
スペクタクルシーンも出来は良く,見て損は無し.
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