独断的映画感想文:ロング・エンゲージメント
日記:2009年4月某日
映画「ロング・エンゲージメント」を見る.
2004年.監督:ジャン・ピエール・ジュネ.
出演:オドレイ・トトゥ(マチルド),ギャスパー・ウリエル(マネク),ジャン=ピエール・ベッケル(エスペランザ),ドミニク・ベテンフェルド(アンジュ・バシニャーノ),クロヴィス・コルニアック(ブノワ・ノートルダム),マリオン・コティヤール(ティナ・ロンバルディ),ジャン=ピエール・ダルッサン(ゴルド伍長),ジュリー・ドパルデュー(ヴェロニック・パッサヴァン),アンドレ・デュソリエ(ピエール=マリー・ルヴィエール),ティッキー・オルガド(ジャルマン・ピエール),ジェローム・キルシャー(バストーシュ),ドニ・ラヴァン(シ・スー(フランシス)),シャンタル・ヌーヴィル(ベネディクト),ドミニク・ピノン(シルヴァン),ジャン=ポール・ルーヴ(郵便配達人),ミシェル・ヴュイエルモーズ(プチ・ルイ),ジョディ・フォスター(エロディ・ゴルド),チェッキー・カリョ(ファブリエール大尉),リュファス(ベルトン),アルベール・デュポンテル(セレスタン・プー).
第1次世界大戦,ブルターニュ地方の戦線.
兵士達は,降り注ぐ砲弾と機関銃火,毒ガスの恐怖と闘いながら塹壕に籠もっていた.その緊張に耐えられず,身体を自損して戦線離脱を図ろうとする兵士には,容赦ない軍法会議が待っていた.
フランス軍の5人の兵士が,その咎で死刑を宣告され塹壕を引き立てられる.彼らは丸腰で塹壕を叩き出されドイツ軍との戦線に放置され,その後戦死したとの広報が家族に届く.
その5人のうちの一人,まだ若いマネクの恋人マチルドは,不思議な直感で彼の生存を信じ,私立探偵に依頼しまた自分も調査に加わって,マネクの行方と5人の死の真相を突きとめようとする….
マチルドは小児麻痺を患い左足が不自由,両親は事故で亡くなり叔父夫婦に育てられた.マネクは灯台守の子で,足が不自由な彼女の唯一無二の友達であり,後に恋人となった.
「マネクとマチルドは恋人」というMMMのマークは彼のシンボルマークだ.
5人の死の真相は錯綜しており,5人への特赦を握りつぶした連隊長等を殺害した未亡人のエピソードや,自分の除隊を図って友人と妻を関係させたばかりに,嫉妬により身の破滅を招いた兵士とその妻のエピソード等が,同時並行に語られる
映画全体はファンタジー仕立てに作られているのにも拘わらず,戦争のむごたらしい現実は胸に迫る.
その中,自分の信念だけを頼りに諦めないマチルド.映画の結末には涙を禁じ得ない.
セピア色の映画の作りは印象的だ.時にユーモアを忘れない物語の進行も好ましい.
マネクとマチルドの初めての夜,マネクがマッチをするとマチルドが吹き消す.またマネクがマッチをつける.マチルドが吹き消す.マネクがマッチをつけるたびにマチルドが少しずつ裸になっていくという,エピソードが可笑しい.
映画らしい映画.
★★★★☆(★5個が満点)
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