独断的映画感想文:ワールド・オブ・ライズ
日記:2009年5月某日
映画「ワールド・オブ・ライズ」を見る.
2008年.監督:リドリー・スコット.
出演:レオナルド・ディカプリオ(ロジャー・フェリス),ラッセル・クロウ(エド・ホフマン),マーク・ストロング(ハニ・サラーム),ゴルシフテ・ファラハニ(アイシャ),オスカー・アイザック(バッサーム),サイモン・マクバーニー(ガーランド),アロン・アブトゥブール(アル・サリーム),アリ・スリマン(オマール・サディキ).
CIAアクションもの.
冒頭英国で特殊部隊がアパートの一室に突入を図る.中で働くアラブ人達,部隊が突入に踏み切るのと同時に気づいたアラブ人がスイッチを押す.大爆発が怒り跡形も無く吹っ飛び炎上するアパート.
イラクではCIAのエージェントフェリスが,上役のエドとやり合いながらこの爆破の黒幕アル・サリームを探っている.
フェリスは根っからの現場人間,命を削りながら現地人のエージェントと組んで成果を上げていく.エドはアメリカのラングレーのCIA本部にいて,そのフェリスを無人飛行機からのモニタ映像で監視しながら次々に指示を出す.
情に流されながら自分の身を犠牲にして突っ走るフェリスは,たびたび非情で合理主義一辺倒のエドと対立する.
イラクで重傷を負いながらアル・サリームの手掛かりを掴んだフェリス,そのアジトはヨルダンにあった.エドの指示でヨルダンに飛んだフェリスはヨルダン情報部長ハニと会う.
ハニはアメリカ式合理主義を嫌い,自分に嘘はつくなとフェリスに求めるのだった….
「テロとの戦い」を戦うCIAの活動を描く映画.
お定まりの独善的アメリカ主義が描かれるが,登場人物は皆嘘つきである.それぞれが相手を騙すそのやりとりが物語の軸.
但し独善的で嘘つきだが,皆真面目で一生懸命なのが現実とはちょっと違うと思う.現実にはもっと皆不真面目で腐敗していて荒廃しているんじゃないのか.
映画はアメリカ自身への辛辣な態度とエンタテインメントが,中途半端に同居しているのがうさんくさい.
結果はハッピーエンドだし,エドとフェリスは(フェリスの決別宣言にもかかわらず)これからも一緒にCIAをやっていくだろう,たぶん.
アイシャが無条件にフェリスを好きになったり,彼女の回りのアラブ人が皆アメリカに行きたがっているというのも現実離れしている.
ディカプリオは必死にアクションしているが,映画全体としては,そうかなあという感じが残る.
★★★(★5個が満点)
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