独断的映画感想文:ノン子36歳 (家事手伝い)
日記:2009年8月某日
映画「ノン子36歳 (家事手伝い)」を見る.
2008年.監督:熊切和嘉.
出演:坂井真紀(坂東ノブ子(ノン子)),星野源(マサル),津田寛治(安川時生),佐藤仁美(ノン子の妹),新田恵利(富士子),舘昌美(和人),宇津宮雅代(ノン子の母),斉木しげる(ノン子の父),鶴見辰吾(ノン子の元ダンナ・宇田川).
ノン子はかってタレントとして売り出しその後マネジャーと結婚したが,今はその夫と別れ実家に舞い戻り鬱屈した日々を送っている36歳バツイチの女性.
実家は神社で父は神主,祭りが近づいたある日出店を出したいと若い男マサルが訪ねてくる.
ひょんなことからマサルを出店の元締め安川に引き合わせる羽目になったノン子,交渉は不調に終わったがマサルはなんの根拠もなく絶対何とかなりますよと言い,そんなマサルをノン子も実家の居候にする.
いずれ世界に出たいと夢を語るマサル,祭りの日は近づきマサルの注文した商品のひよこまで届くが,事態はいっこうに解決する気配がない.
そんなところに元夫の宇田川が現れ,ノン子と復縁したいと頭を下げてきたが….
何事にも斜に構え,自分の古傷に触れるものにはささくれだった敵意をむき出すノン子-それを演じる坂井真紀が宜しい.
彼女に絡むマサルはぼんやりした夢はあるが,そのためにやるべき事ややり方への明確なイメージがないまま,土下座一本で何とかなると考えている.要するにノン子もマサルも駄目なひとである.
その二人が出会って親密になっても,観客はいらいらはらはらするだけで先の見通しは見当がつかない.
ところがある事件をきっかけに何となく事態は変わっていく,というほのぼのドラマ.その辺の呼吸が面白い.
最後のシーンに至っても別に事態は何も解決されないのだが,ノン子の表情がちょっと違うぞと,そういうドラマである.
カメラが美しく,ロケ場所の寄居町が素敵.
★★★★(★5個が満点)
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