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2009/10/03

独断的映画感想文:トウキョウソナタ

日記:2009年9月某日
映画「トウキョウソナタ」を見る.Tokyosonata1
2008年.監督:黒沢清.
出演:香川照之(佐々木竜平),小泉今日子(佐々木恵),小柳友(佐々木貴),井之脇海(佐々木健二),井川遥(金子先生),津田寛治(黒須),児嶋一哉(小林先生),役所広司(泥棒).
佐々木竜平は大会社の総務課長,しかしあっけなくリストラの憂き目にあう.
父親の権威を大事に思う彼は失業が言い出せず,出勤のふりをしてハローワークに通うが,彼に相応しい就職口はなかなか見つからない.
給食施設で高校の同級生黒須と出会ったが,彼も失業者だった.黒須も家族を欺いていたが,ある日あっけなく妻と無理心中してしまう.
竜平の家では長男・貴が突然米軍に入隊したいと言いだし,次男健二はピアノを習いたいと言い出す.竜平の反対にも拘わらず二人ともその意を通そうとするのだった….Tokyosonata2
崩壊していく家族のそれぞれの死と再生を巡る現代の寓話.
普通にはあり得ない出来事が次から次へと起こる.
そもそも竜平のリストラがそうだ.総務部門が中国に移るに伴いリストラがあるとして,そのことを当の総務課長が知らないということはあり得まい.
貴の米軍志願も如何にも唐突だ.健二がピアノの天才だとしても,小学校高学年まで何の訓練もしなかった少年が,数ヶ月で人を感動させるほどのピアノを弾くことはあり得ない.
つまりこの映画は寓話なのだが,それでも寓話の持つリアリティが観客を映画に引きずり込む.
冒頭のリストラ劇は,脛に傷持つ中高年にとっては見辛いところだ.見ていて心が痛い.
しかしところどころに仕掛けられたユーモアや,俳優達の好演によって最後まであっという間に見た.
印象的なのは小泉今日子だ.Tokyosonata4
家族のそれぞれが直面する死と再生の中で,彼女の直面するものが最もドラマチックなものであろう.海浜のボート小屋の一夜とその夜明けのシーンは印象的.
音楽の使い方が効果的で,最後のピアノ演奏のシーンとそこでの竜平の涙は感動的だ.
後に残る映画らしい映画.
★★★★(★5個が満点)
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