独断的映画感想文:続・夕陽のガンマン
日記:2009年11月某日
映画「続・夕陽のガンマン」を見る.
原題は「The Good, the Bad and the Ugly(善玉,悪玉,卑劣漢)」.
1966年.監督:セルジオ・レオーネ.
出演者:クリント・イーストウッド,リー・ヴァン・クリーフ,イーライ・ウォラック.
音楽:エンニオ・モリコーネ.
南北戦争の激しい1862年頃,ニューメキシコ.
焼けつく様な荒野をやってくる2人のガンマン.それを迎える一人の男.やがて馬を下りた3人は街の中心に向って歩き始める.
銃を抜き3人が飛び込んだのは理髪店,激しい銃声が響き別の男が飛び出してくる.店の中には3人の男の死体が転がっていた….
この男が「卑劣漢」トゥーコである.
ありとあらゆる悪事を働き3000ドルの賞金がかかっている.このトゥーコを別の殺し屋から横取りし,保安官事務所に突き出したブロンディという賞金稼ぎが「善玉」,しかしトゥーコが縛り首になる瞬間,縛り首の縄を撃ち抜き彼を逃亡させる.稼いだ賞金は二人で山分け,という訳で二人はコンビを組んでいたのだ.
一方殺し屋エンジェル「悪玉」は,依頼された殺しをしながら,南軍の奪われた20万ドルの金貨の行方を追っている.ひょんなことからその金貨の隠し場所の情報を手に入れたトゥーコとブロンディは,騙しあい痛めつけあいながら時に協力し,エンジェルと三つ巴になってその隠し場所を目指すのだった….
セルジオ・レオーネの傑作マカロニ・ウエスタン.
そのスケールの大きさ,3人のキャラクターの魅力,構成の面白さ,エンニオ・モリコーネの音楽の素晴らしさ等,3時間近い長尺の中にたっぷり盛り込んで飽きることがありません.
3人のキャラクターの中では,実はトゥーコが一番魅力的.
よく喋りまめに悪事を働き,残忍無頼の悪党だが信心深い兄思いという支離滅裂なキャラクターを,イーライ・ウォラックが見事に演じている.
また,南軍将校のエピソードなど,サイドストーリーにもきっちり味付けがしてある.
極端なクローズアップと対照的な遠景ショットの組み合わされた画面も素敵だ.
最後の決闘シーンで墓地を走り回るトゥーコの映像や,円形の広場で対峙する3人の描き方は,極めて印象的.レオーネの映画の魅力満載の傑作,一見の価値有り.
★★★★(★5個が満点)
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