独断的映画感想文:ウォーリー
日記:2009年11月某日
映画「ウォーリー」を見る.
2008年.監督:アンドリュー・スタントン.
アニメーション.
荒涼とした未来の地球.林立する廃墟のビルの中にはゴミで出来たビルがあるのが判る.
700年間働いているゴミ処理ロボット・ウォーリー.
同僚は皆錆び付き故障して,今や現役なのは彼一人である.毎日ゴミを拾っては体内で圧縮して圧し固め,その固まりを積み上げていく.
夜になるとコンテナの自宅に戻り,キャタピラを脱いでくつろいで,古い人間の映画を見る.仕事の合間に集めた気に入ったコレクションが自宅には満載である.
ところがある日宇宙船がやってきて,ぴかぴかの白いロボットを残して去っていった.
最新式のそのロボットはあちこちを調査している様だが,怪しいものには容赦なく発砲する気の強い面もある.しかしウォーリーはその「イブ」というロボットに憧れ,遂に友達になることに成功するのだが….
地球をゴミの山にして去っていった人類の宇宙船は,実は少し先の宇宙空間にあり,人類は機械にかしずかれ安穏な日々を送っていた.イブが地球から採集して戻った植物は,地球の生命復活の印と見られたのだが,人類は700年に及ぶカウチポテト生活のためすっかり変貌して,今や満足に歩くことも出来なかった….
前半では孤独なウォーリーがイブに出会い恋に落ち,後半はウォーリーとイブの活躍による人類の帰還を描くこのアニメ,物語の展開のテンポが良く,最後まで一気に見た.
ウォーリーとイブの性格付けとその描き方が秀逸である.
ウォーリーのゴキブリを唯一の友とするその寂しい生活,ささやかな趣味を楽しみに毎日を元気に働くそのけなげな生き方,臆病なくせに好奇心いっぱいのその性格が可愛い.
一方のイブも高ビーな女と見えて実は結構純情なのが気に入った.
それに比べると描かれている人間には全く共感できない.地球をゴミの山にしたあと700年間ただデブになっていただけとは.
地球に帰ってきても1世代や2世代では立てる様にならず,滅びてしまうかもしれない.
宇宙船の中では潔癖お掃除ロボットのモー君が大好きでした.一応名前と自意識や個性があるってのが可笑しいね.
★★★☆(★5個が満点)
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