独断的映画感想文:容疑者Xの献身
日記:2009年11月某日
映画「容疑者Xの献身」を見る.
2008年.監督:西谷弘.
出演:福山雅治(湯川学),柴咲コウ(内海薫),北村一輝(草薙俊平),松雪泰子(花岡靖子),堤真一(石神哲哉),ダンカン(工藤邦明),長塚圭史(富樫慎二),金澤美穂(花岡美里),益岡徹(葛城修二郎),林泰文(柿本純一),渡辺いっけい(栗林宏美),品川祐(弓削志郎),真矢みき(城ノ内桜子).
顔は潰され指紋も消された男性死体が発見される.
本庁の内海・草薙のコンビも出動し捜査にあたる.程なく身元は判明し,その男の別れた妻花岡康子が容疑者として浮かぶが,彼女には鉄壁のアリバイがあった.
彼女のアパートの隣に住む石神は湯川の学生時代の旧友だった.
内海・草薙に協力を依頼された湯川は石神がこの事件に関与しているとの疑いを深める….
実はこの映画の冒頭は花岡靖子による殺人シーンである.観客は彼女が犯人であることを知ってるのだ.
しかし彼女には鉄壁のアリバイがあるという.いったい何故なのか?
隣室に住み彼女に憧れている石神がどのようなトリックを使ったのか,湯川はそれを暴けるのか,という物語が進行する.
その物語は,湯川・石神が実はかっては互いに心を開いた無二の親友だったという設定のもとに興味深く進展する.堤真一の演技は秀逸.俳優では他に松雪泰子と長塚圭史が素敵.
問題はこの映画に,連続ドラマの常連メンバーとしてたいした意味もなく出入りする湯川,内海をはじめとする大勢の人物が,全く整理されていない点ではないだろうか.
それが映画の緊張感を著しく損なっている.
TVドラマのシリーズの1作として作らず,単独の映画としてこの原作を映画化するべきではなかったか,という気がしてならない.
この映画はトリックの性格上観客にわざとある種の情報を知らせないでいる.その点も気になったし,花岡と石神のアパートとして設定されている住居が,どう考えても人目に付かずに死体を始末することが不可能な設定にあることも気になった(部屋の唯一のドアは深夜でも交通の途絶えない大通りに直接面しているのだ).
それやこれやで★★★☆(★5個で満点).
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