独断的映画感想文:十三人の刺客
日記:2009年12月某日
映画「十三人の刺客」を見る.
1963年.監督:工藤栄一.
出演:片岡千恵蔵(島田新左衛門),里見浩太郎(島田新六郎),内田良平(鬼頭半兵衛),丹波哲郎(土井大炊頭利位),嵐寛寿郎(倉永左平太),西村晃(平山九十郎),月形龍之介(牧野靭負),丘さとみ(おえん),三島ゆり子(牧野千世),藤純子(加代),河原崎長一郎(牧野妥女),水島道太郎(佐原平蔵),山城新伍(木賀小弥太),汐路章(堀井弥八).
将軍の腹違いの弟で明石藩主松平斉韶は,好色暴虐の人物,江戸家老の間宮図書はその実情を訴え,老中土井大炊頭門前で割腹する.
ところが将軍はこれを穏便に済ますよう計らった上,次期老中に松平斉韶の名を上げる.土井大炊頭はこれを正すべく,松平斉韶の暗殺をお目付役島田新左衛門に命令する.
島田は協力者を集め木曽落合の宿に罠を設け,参勤交代途上の松平斉韶一行をこの宿に誘い込む.かくて13人の刺客対松平斉韶一行53人の死闘が始まった….
時代劇としての構成は類型的ではあるが(主人公対暴君,暴君の家臣で切れ者の側用人の存在,その側用人と主人公の交流等),ベテラン俳優の配置で登場人物の所作一つとっても安心してみていられる.
片岡千恵蔵,嵐寛寿郎等のベテランに混じり里見浩太朗が颯爽として活躍.西村晃が演じるニヒルな浪人ものも宜しい.
全体に人物の掘り下げは充分とは言えないが,映画のテンポが良いので気にならない.朝霧の中から騎乗の松平斉韶一行が現れて開始される,終盤20分の集団の死闘が何といっても息をのむ.
倒し倒されていくほどに殺気立っていき,激しく切り結ぶ侍達.鬼頭・倉永の対決,鬼頭・島田の対決が見応え充分.見て損はなし.
まだ若く芋姉ちゃんの富司純子や,悪役になる前の汐路章の精悍な姿が見られるのも興味深い.
★★★☆(★5個が満点)
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コメント
(◎´∀`)ノ
苫小牧市出身の工藤栄一監督の「十三人の刺客」60年代では、あの凄まじい殺陣は残酷なリアリズムとして受けなかったのでしょう。
しかし、いつ観てもいいですね。
時代劇の殺陣の新境地開拓でしたね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2015/06/06 23:53