独断的映画感想文:アバター
日記:2009年12月某日
映画「アバター」を見る.
2009年.監督:ジェームズ・キャメロン.
出演:サム・ワーシントン(ジェイク・サリー),ゾーイ・サルダナ(ネイティリ),シガーニー・ウィーヴァー(グレース・オーガスティン),スティーヴン・ラング(マイルズ・クオリッチ大佐),ミシェル・ロドリゲス(トゥルーディ・チャコン),ジョヴァンニ・リビシ(パーカー・セルフリッジ),ジョエル・デヴィッド・ムーア(ノーム・スペルマン),CCH・パウンダー(モアト),ウェス・ステューディ(エイトゥカン).
海兵隊員ジェイクはベネズェラで負傷,下半身麻痺の車椅子生活者となる.
その双子の兄は,惑星パンドラのアバタープロジェクトに関わっていたが急死,同じDNAを持つジェイクがその後任に送り込まれる.
アバターは,パンドラの原住民ナヴィ族と人間のDNAを組み合わせ肉体化したもの,ジェイクは専用カプセルに入り仮眠することで,ナヴィと同じ肉体を持つアバターのジェイクを自分の肉体として使うことが出来る.
ジェイクのアバターはパンドラ駐在の科学者グレース博士のアバターと共に,戦士としてナヴィの生活を学び言語の習得に努める.グレース博士の研究によれば,パンドラの原住民や動植物は,共通のバイオネットワークで繋がれていた.
一方ナヴィ族の本拠地の地下に存在する貴重金属アンオブテニウムの開発をもくろむ企業とその傭兵集団は,ジェイクのアバターを通じて得た現地の情報を分析し,資源獲得のため森林を焼き払いナヴィ族を追放する準備を進める.
ジェイクはナヴィ族の族長の娘ネイティリと愛し合い結ばれるが,そのとき傭兵集団の一斉攻撃が始まった….
本格的に3D映像を駆使して作成された初の長編SF映画.
強欲をむき出しに,資源強奪のため武力で侵攻する人間とそれに対抗する原住民という物語は,極めて類型的ではあるがそれはまあ宜しい.
企業や傭兵の典型的キャラクターを演じているジョヴァンニ・リビシ(「ヘブン」では美青年でした)やスティーヴン・ラングはそれぞれ如何にもそれらしく憎たらしい.
そんなことより,ジェームズ・キャメロンが作り上げたパンドラという星の美しさとナヴィ族の美しさに,観客は何よりも驚嘆するだろう.
特に夜の密林の,蛍光を放つ木々や虫たちの美しさ.そして翼竜イクランを捕らえ乗りこなす飛翔シーンの,目も眩むようなスピード感高揚感はどうだろう.
3D映像の特性を最も効果的に引き出したこれらのシーンに,素直に賛辞を送りたい.40年以上前に読んだ古典SFやスペースオペラのイメージが,このような形で映像化されたことは嬉しい限りだ.
「スター・ウォーズ」シリーズで切り開かれたSF映像のレベルを,更に一段押し上げたものとして評価したい.
一見の価値あり.★★★★(★5個が満点)
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