独断的映画感想文:ブーリン家の姉妹
日記:2009年12月某日
映画「ブーリン家の姉妹」を見る.
2008年.監督:ジャスティン・チャドウィック.
出演:ナタリー・ポートマン(アン・ブーリン),スカーレット・ヨハンソン(メアリー・ブーリン),エリック・バナ(ヘンリー8世),デヴィッド・モリッシー(トーマス・ハワード(ノーフォーク公爵)),クリスティン・スコット・トーマス(レディ・エリザベス・ブーリン),マーク・ライランス(トーマス・ブーリン卿),ジム・スタージェス(ジョージ・ブーリン),ベネディクト・カンバーバッチ(ウィリアム・ケアリー),オリヴァー・コールマン(ヘンリー・パーシー),アナ・トレント(キャサリン・オブ・アラゴン),エディ・レッドメイン(ウィリアム・スタフォード),ジュノー・テンプル(ジェーン・パーカー).
ヘンリー8世時代,王の愛人となったメアリ・アンの姉妹の物語.
王妃キャサリンが男児を死産したという知らせをいち早く知ったノーフォーク公爵は,出世のために王の愛人候補を物色する.
姉の嫁ぎ先ブーリン家に王が逗留することを知った公爵は,ブーリン家の娘アンをその候補に見立てる.
ところが王の心を捕えたのは,既に人妻となっていた慎ましい妹メアリーだった.
ブーリン家は宮廷に召し出されメアリーは王の寵愛を受けるが,アンは奔放な性格を押さえきれず許嫁のいる貴族と駆け落ちをし,激怒した父の命令でフランス王妃の侍女として国外に追放される.
まもなくメアリーは懐妊するが,流産を防ぐため安静を命じられる.王の心が離れるのを恐れたブーリンはアンを呼び戻し,アンはフランス仕込みの手管で王の心を翻弄するのだった….
イギリスの歴史劇は何故か好きなジャンルの一つ.特にヘンリー8世のあたりは面白い.
アンとメアリーはどちらが姉かで歴史上の論争がある様だが,この映画ではアンが姉.そのアンがヘンリー8世を焦らしに焦らし,遂にローマ教皇と離別してまで自分を正規の王妃にさせることに成功する様が描かれるが,そうかなあという気もする.ヘンリー8世がそこまで女に操られる人物とも思えない.
それはともかく,アンとメアリーを演ずるナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンは見応え有り.特にヨハンソンの演技には瞠目する.
その他ブーリン家の母,王妃キャサリン等の女優陣が出来が良い.
ヘンリー8世の時代は血なまぐさい時代だったが,この後アンの王女エリザベスが即位すると,以降45年にわたって彼女の時代が続く.ただし,エリザベスは結婚しなかったためアンの血脈は絶えた.
一方,王の子として認知されなかったメアリーの子孫には,現代に繋がる著名人(エセックス伯爵家,サマーセット公爵家)が数多く存在するのも驚きである.
映画として見応え有り,歴史劇としても印象深い.
★★★★(★5個が満点)
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投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2009/12/26 09:01