独断的映画感想文:イングロリアス・バスターズ
日記:2009年11月某日
映画「イングロリアス・バスターズ」をみる.
2009年.監督:クエンティン・タランティーノ.出演:ブラッド・ピット(アルド・レイン中尉),マイク・マイヤーズ(エド・フェネシュ将軍),ダイアン・クルーガー(ブリジット・フォン・ハマーシュマルク),クリストフ・ヴァルツ(ハンス・ランダ大佐),メラニー・ロラン(ショシャナ・ドレフュス),ミヒャエル・ファスベンダー(アーチー・ヒコックス),イーライ・ロス(ドニー・ドノウィッツ),ダニエル・ブリュール(フレデリック・ツォラー).
冒頭は1941年,フランスの農村.丘の上の一軒家の庭先で切り株に斧を打ち込んでいる男.彼方の農道をサイドカー付きのオートバイに先導された車が近づいてくる.
やってきたのはナチ突撃隊のランダ大佐,ユダヤ人ハンターの異名を取る.大佐は丁重な物腰で男の家に入り穏やかに話をするが,やがて男に床下にユダヤ人を匿っていることを認めさせる.
合図で入ってきた兵士がマシンガンを床下に向け乱射,辛うじて脱出し森に向って走る少女ショシャナに,ランダ大佐は銃を向けるが,気が変わって彼女を逃がす….
3年後1944年.ナチ占領下のパリで若くして映画館を経営するミミューはかってのショシャナである.ふとした縁でドイツ軍の英雄狙撃手フレデリックと知り合い,彼の推薦でミミューの映画館がフレデリックを描いた映画のプレミア会場となることになる.
プレミア上映にはゲッベルスを始めナチの高官が集まり,警備をランダ大佐が務めるという.ミミューは復讐のための計画を練る.
一方,ナチの兵士を残虐に殺しまくるレイン中尉を指揮者とする秘密部隊は,やはりこの情報を聞きつけ,反ナチの人気ドイツ女優ハマーシュマルクの協力を得て,ミミューの映画館に潜り込もうと画策する….
史実に基づかない映画.
タランティーノのこの映画は賛否両意見があることだろう.
題材がそもそも第2次大戦下のパリで,ナチを相手の謀略戦というサスペンスフルなもの.実際冒頭の20分ほどのユダヤ人狩りのシークエンスは,ランダ大佐のフレンドリーな饒舌にもかかわらず極めて緊張度の高いものになっている.
そして物語はこの監督特有のまさかまさかの連続で,思いもかけない展開となり,迎えるクライマックスのはじけぶりはタランティーノの面目躍如のスラプスティックな阿鼻叫喚.この題材とこの監督の組み合わせは,何ともいえない効果を生み出すことに成功した様だ.
「遙かなるアラモ」「キャット・ピープルのテーマ(デヴィッド・ボウイ」を使ったサン・トラも懐かしい.はまった人は大満足な映画.
★★★★
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