独断的映画感想文:花と龍 青雲篇 愛憎篇 怒涛篇
日記:2010年3月某日
映画「花と龍 青雲篇 愛憎篇 怒涛篇」を見る.
1973年.監督:加藤泰.
玉井金五郎(渡哲也),玉井マン(香山美子),玉井勝則(竹脇無我),栗田の銀五(田宮二郎),唐獅子の五郎(石坂浩二),十郎(石坂浩二),蝶々牡丹のお京(倍賞美津子),お葉(倍賞美津子),島村ギン(任田順好),娼婦光子(太地喜和子),永田杢次(笠智衆),永田ヨネ(菅井きん),大庭春吉(汐路章),平尾角助(山本麟一),清野たま(沢村貞子),友田喜造(佐藤慶),大川時次郎(坂上二郎),梶原中佐(南原宏治).
明治大正昭和に亘る九州若松を舞台とする任侠大河ドラマ.
玉井金五郎とマンの夫婦は,幼い長男勝則を抱えてごんぞと呼ばれる石炭荷役の人夫の元締め,永田杢次のもとに身を寄せる.
ある日勝則が船に乗ったまま流されるが,それを救ったのは対立する友田組にやっかいになっていた流れ者栗田銀五だった.
玉井は暴れ者のボースン平尾と対決,平尾は友田組に寝返り玉井はボースンとなってごんぞの頭となる.やがて同業者に押され,玉井は独立して組を旗揚げした.
友田組とは全面対決となり,嵐の夜玉井は平尾,栗田らに襲撃される….
以後対決する友田組との関係,栗田との不思議な友情,刺青を彫ったお京との因縁,そして更には息子勝則と娼婦光子の物語に続く,3時間弱の大河ドラマ.
出演者は豪華で,生きの良い若手からベテランまでの活躍がなかなか見応え有り.
俳優では田宮次郎が何といっても魅力的.遠くから玉井マンを慕う栗田の真情を,しみじみと見せる.
その相棒を演じる任田順好がまた素晴らしい.若松のどてらばあさんと呼ばれた強烈な女侠客を小気味よく演じる.
山本麟一はいつも通りのしっかりした悪役で引き締めれば,汐路章は珍しく気骨ある親分役を嬉しそうに演じている.
女優では香山美子と倍賞美津子の対決が迫力有り.菅井キンも良い味である.
映画全体としては3時間弱の長尺はいささか長く感じた.特に息子勝則と娘お葉の時代になるといささかだれてきて,組合運動に走る勝則のために玉井が友田組と命を賭けて戦うというのは,少し無理を感じた.
感動を覚えたのはやはり田宮次郎の最期.役者の違いという感じでした.
★★★(★5個が満点)
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