独断的映画感想文:色即ジェネレーション
日記:2010年3月某日
映画「色即ジェネレーション」を見る.
2008年.監督:田口トモロヲ.
出演:渡辺大知(乾純),峯田和伸(ヒゲゴジラ),岸田繁(ヒッピー),堀ちえみ(おかん),リリー・フランキー(おとん),臼田あさ美(オリーブ),石橋杏奈(足立恭子),森岡龍(池山),森田直幸(伊部),古川雄弥(須藤),大西ユカリ(ロック喫茶のママ),山本浩司(アキちゃん).
みうらじゅん原作の青春映画.
1974年の京都.乾純はおとなしめの文系高校生,クラスでは番を張っている不良達に絡まれたりするが,実はボブ・ディランを神と仰ぎギターで曲を自作したりしている.
一人っ子の彼は親に愛され,親の物わかりが良すぎて反抗もままならない複雑な状況.
高校は仏教系だが(浄土宗らしい)煩悩は人一倍の彼は,友人に誘われて夏休みに隠岐の島に行くことになる.友人に依ればそこはフリーセックスの島らしい.
勇んで島に行きユースホステルに泊まると,そこには全共闘崩れのヒゲゴジラというペアレントがいて….
という次第で進行する青春物語.
べたといえばべたな映画だが,しかし青春ものは(特に音楽ものは)いいですね.
主演の渡辺大知君は演技はゼロからのスタートらしく,「他の人が喋っている時どういう顔したらいいか判らなかった」などとメイキングで言っている初々しさが良い.
その初々しい演技は観客に青春のぎごちなさを逆に想起させ,それが観客を映画に引き込むことになる.そうだ,僕だってこの頃は女の子への口の利き方も判らず,精神と体のアンバランスにとまどいながら部活に受験に翻弄されていたのではなかったか.
画面の渡辺大知君は,そういう青春の居心地の悪さを見事に表現している.
そしてお約束の学園祭への彼女の招待と自分の出演.このクライマックスもなかなか宜しい.素敵な映画だった.
この映画は「アイデン&ティティ」に続く田口トモロヲ監督の作品だそうな.前作も良かったな.
★★★★(★5個が満点)
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