独断的映画感想文:新・平家物語
日記:2010年5月某日
映画「新・平家物語」を見る.
1955年.監督:溝口健二.
出演:市川雷蔵(平清盛),久我美子(時子),林成年(藤原時忠),木暮実千代(泰子),大矢市次郎(平忠盛),進藤英太郎(伴卜),菅井一郎(木工助家貞),千田是也(左大臣頼長),柳永二郎(白河上皇),羅門光三郎(了観),夏目俊二(鳥羽上皇),河野秋武(平六),石黒達也(藤原時信),中村玉緒(藤原滋子),十朱久雄(関白忠通),沢村国太郎(如空).
平安末期,租税を免除された荘園を持つ寺社や公家の力が増し,天皇の御所の力は衰え院の御所との間に勢力は均衡する.
平氏の棟梁忠盛・清盛親子は西海の海賊を平らげて帰還したが,公家の阻止により恩賞も授けられなかった.
そんな中,清盛は藤原時忠の娘時子と知り合い,また西海を経由した貿易を進めようとする商人伴卜の知遇を得る.しかしその伴卜から,自分の出生の秘密を聞かされ動揺するのだった….
崇徳天皇と鳥羽上皇の対立する中,新興勢力武士の台頭を抑えんとする公家達,武力で都を制圧する僧兵等と対抗しつつ溌剌と活躍する清盛達若き武士の一統の姿を描いて,痛快時代劇とはまさにこういう映画を言うのかと印象深い.
市川雷蔵が何と言っても魅力的だが,脇を固める実力俳優始め,都らしい山並みを背景に築かれたオープンセットや,都大路を埋め尽くす群衆シーンの見事さが,この時代の日本映画の隆盛・勢いを感じさせる.
久我美子や木暮実千代も充実した美しさ.時子の妹で出演している中村玉緒が愛らしい.
見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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