独断的映画感想文:火天の城
日記:2010年6月某日
映画「火天の城」を見る.
2009年.監督:田中光敏.
出演:西田敏行(岡部又右衛門),福田沙紀(岡部凛),椎名桔平(織田信長),大竹しのぶ(岡部田鶴),寺島進(平次),山本太郎(熊蔵),石田卓也(市造),上田耕一(弥吉),ペ・ジョンミョン(太助),前田健(留吉),熊谷真実(ふさ),水野美紀(うね),西岡徳馬(丹羽長秀),渡辺いっけい(木村次郎左衛門),河本準一(羽柴秀吉),遠藤章造(堺の豪商),田口浩正(中川左内),内田朝陽(中井孫太夫),石橋蓮司(池上五郎右衛門),笹野高史(木曾義昌),夏八木勲(戸波清兵衛),緒形直人(大庄屋甚兵衛).
戦国の世,熱田の宮大工・岡部又右衛門は織田信長に呼ばれ,湖北安土に五層七階建ての天守を持つ城を建てるように命じられる.
その天守の下は全て吹き抜けにする様にという命に困惑する又右衛門,しかも総棟梁は信長の御前での指図(図面)争いで決まると言う.
指図争いの当日,又右衛門は信長の命令を無視し,吹き抜けのない雛形を作って提出した….
この指図争いで信長の意を得た又右衛門が造る安土城築城物語.
天守を作るための檜の大木がある木曽は武田領,そこからどう木を切り出すか.又右衛門の妻はひそかに病を養っている.その運命はどうなるか.
クライマックスは嵐の夜,安土城の大黒柱を4寸切り詰めるという大作業,これに失敗したら梁が裂けるか大黒柱が折れるという….
140分近い大作で,築城物語の筋は一本しっかり通っている.
西田敏行の岡部又右衛門や大竹しのぶの田鶴の演技は見応え有り.
しかしこの映画は気に入らない点がいくつかあって,楽しめなかった.
その1はお笑い芸人がキャスティングされていること.映画の画面にお笑い芸人が俳優としての水準ではない演技で出てくることは,到底受け容れ難い.
河本が演じる学芸会レベルの羽柴秀吉を見るのは願い下げである.
その2は又右衛門の娘,凛を演じている福田沙紀,この茶髪のタレントはどう見てもつんつるてんの浴衣を着た現代女子高生にしか見えない.これも興醒めである.
その3はCGがちゃちい.
琵琶湖に見立てた瀬戸内海の夕景は美しいが,それを背景とする安土城のCGは背景と色が合ってない.
こういう点が気になって評価は低い.
せっかくの原作,せっかくの企画だが,営業の要素との折衷がこういう印象を与えるのだろうか.映画作りとは難しいものである.
★★☆(★5個が満点)
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