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2010年6月に作成された記事

2010/06/29

独断的映画感想文:火天の城

日記:2010年6月某日
映画「火天の城」を見る.01_2
2009年.監督:田中光敏.
出演:西田敏行(岡部又右衛門),福田沙紀(岡部凛),椎名桔平(織田信長),大竹しのぶ(岡部田鶴),寺島進(平次),山本太郎(熊蔵),石田卓也(市造),上田耕一(弥吉),ペ・ジョンミョン(太助),前田健(留吉),熊谷真実(ふさ),水野美紀(うね),西岡徳馬(丹羽長秀),渡辺いっけい(木村次郎左衛門),河本準一(羽柴秀吉),遠藤章造(堺の豪商),田口浩正(中川左内),内田朝陽(中井孫太夫),石橋蓮司(池上五郎右衛門),笹野高史(木曾義昌),夏八木勲(戸波清兵衛),緒形直人(大庄屋甚兵衛).
戦国の世,熱田の宮大工・岡部又右衛門は織田信長に呼ばれ,湖北安土に五層七階建ての天守を持つ城を建てるように命じられる.04_2
その天守の下は全て吹き抜けにする様にという命に困惑する又右衛門,しかも総棟梁は信長の御前での指図(図面)争いで決まると言う.
指図争いの当日,又右衛門は信長の命令を無視し,吹き抜けのない雛形を作って提出した….
この指図争いで信長の意を得た又右衛門が造る安土城築城物語.
天守を作るための檜の大木がある木曽は武田領,そこからどう木を切り出すか.又右衛門の妻はひそかに病を養っている.その運命はどうなるか.
クライマックスは嵐の夜,安土城の大黒柱を4寸切り詰めるという大作業,これに失敗したら梁が裂けるか大黒柱が折れるという….02_2
140分近い大作で,築城物語の筋は一本しっかり通っている.
西田敏行の岡部又右衛門や大竹しのぶの田鶴の演技は見応え有り.
しかしこの映画は気に入らない点がいくつかあって,楽しめなかった.
その1はお笑い芸人がキャスティングされていること.映画の画面にお笑い芸人が俳優としての水準ではない演技で出てくることは,到底受け容れ難い.
河本が演じる学芸会レベルの羽柴秀吉を見るのは願い下げである.
その2は又右衛門の娘,凛を演じている福田沙紀,この茶髪のタレントはどう見てもつんつるてんの浴衣を着た現代女子高生にしか見えない.これも興醒めである.
その3はCGがちゃちい.03
琵琶湖に見立てた瀬戸内海の夕景は美しいが,それを背景とする安土城のCGは背景と色が合ってない.
こういう点が気になって評価は低い.
せっかくの原作,せっかくの企画だが,営業の要素との折衷がこういう印象を与えるのだろうか.映画作りとは難しいものである.
★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ハゲタカ

日記:2010年6月某日
映画「ハゲタカ」を見る.04
2009年.監督:大友啓史.
出演:大森南朋(鷲津政彦),玉山鉄二(劉一華),栗山千明(三島由香),高良健吾(守山翔),遠藤憲一(古谷隆史),松田龍平(西野治),中尾彬(飯島亮介),柴田恭兵(芝野健夫),嶋田久作,志賀廣太郎.
在留日本人孤児3世の劉一華は,勤める中国系ファンドから抜擢され日本市場に送り込まれる.
彼はファンド・ブルーウォールパートナーズを率い日本一の自動車会社アカマ自動車へのTOBを宣言した.05
アカマ自動車の役員柴野は,かっての盟友,鷲津ファンドの鷲津政彦を海外のリゾートに訪ねる.日本の市場に絶望しリゾートで無為の日々を送っていた鷲津は,柴野の要請を受け,アカマのホワイトナイトとして参戦する.
鷲津はかって米国のホライズン社で劉一華の先輩として勤務していた….
ご存知NHK出色のTVドラマの映画版である.
玄人の方からはどう見えるか知らないが,こういう世界に全く案内のない小生には物語の展開が意外で面白く,最後まで一気に見た.02
底知れないブルーウォールパートナーズの資金力の前に敗退を重ね,アカマ自動車の社長にも裏切られた絶体絶命の状況を,鷲津はどう打開するのか,という物語の骨格も強力だが,鷲津の苦悩や劉一華の心の深い底が奥行きある世界を構成し,魅力的である.
大好きな大森南朋の好演も嬉しいが,劉一華を演じる玉山鉄二も素敵.01
TVドラマを全く見ていない人には,人物の造形が些か不親切だったかも知れないが(特に三島由香の描き方は中途半端に思える),充実した134分と言えるだろう.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:96時間

日記:2010年6月某日
映画「96時間」を見る.9603
2008年.監督:ピエール・モレル.
出演:リーアム・ニーソン(ブライアン),マギー・グレイス(キム),リーランド・オーサー(サム),ジョン・グライス(ケイシー),デヴィッド・ウォーショフスキー(バーニー),ケイティ・キャシディ(アマンダ),ホリー・ヴァランス(シーラ),ファムケ・ヤンセン(レノーア).
リュック・ベッソン製作のアクション映画.9602
ネタバレあります,注意!.
ブライアンは引退した情報部員,妻とは離婚し,妻子は大金持ちの新しい夫と共に暮らす.
溺愛している娘キムが,友人と美術館巡りのためパリ旅行に行く為,親権者の同意を求めてくるが,ブライアンは危険だとして承知しない.
キムは落胆し元妻には激しく非難される始末,やむなくブライアンは自分直通の携帯を持たせることを条件に同意する.9605
ところがキム達がパリに着くや,ホテルは男達に襲われ,キムはブライアンと携帯で話している最中に拉致されてしまう.キムの残した手掛かりから,彼女たちは東欧系の売春組織の手で96時間以内に売買され,それ以降は取り戻すことはできないと判明.ブライアンは直ちにパリに急行しキムの探索に当たるが….
「96時間」というこの93分の映画は,ノンストップアクションの好編,観客はあれよあれよという間に大団円を迎えるだろう.
とにかくブライアン父さんが強いのなんの,おまけに頭も良いし情報部員のテクニック満載.
その父さんがぶち切れまくって悪党達を相手に築く潰れた車の山!死体の山!!建物は廃墟と化し街は火の海となる.9601
最後にはフランス情報部の大立て者とも事を構え,よくまあフランスから無事に戻ってこれたと呆れるばかりである.
ブライアンのあまりの無法ぶりはいっそ気持ちが良いが,共感はできない.
その点ではヒーローのぶち切れと共感して感情浄化作用を味わえた,昔のヤクザ映画とは似て非なるものだろう.
それでもとにかく凄まじいテンポで突っ走るこの映画に,最後まで持って行かれることは請け合いである.
★★★☆(★5個が満点)
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2010/06/18

独断的映画感想文:ダウト ~あるカトリック学校で~

日記:2010年6月某日
映画「ダウト ~あるカトリック学校で~」を見る.001
2008年.監督:ジョン・パトリック・シャンリー.
出演:メリル・ストリープ(シスター・アロイシアス),フィリップ・シーモア・ホフマン(フリン神父),エイミー・アダムス(シスター・ジェイムズ),ヴィオラ・デイヴィス(ミラー夫人).
ケネディ大統領暗殺の記憶が未だ覚めない1964年のニューヨーク,ブロンクス.カトリック教会の司祭フリン神父は,進歩派を自ら任じ,カトリック学校の唯一の黒人生徒ドナルドにも温かい手を差し伸べていた.
一方カトリック学校の校長シスター・アロイシアスは厳格で容赦のない教育者として,フリン神父の考えには対立している.
若い教師のシスター・ジェイムズはドナルドの不審な行動を校長に報告,シスター・アロイシアスはフリン神父によるドナルドへの性的虐待があるものと見て,追及を始める….002
延々と続く科白劇とその合間に画面を席巻する嵐・台風.まるでシェークスピア劇のようだと思ったら,この映画は監督自身が劇作家として2005年に発表,トニー賞とピュリッツァー賞を獲得した人気戯曲の映画版であった.
この映画が舞台とするカトリック教会はいわば人間社会の縮図,進歩派であるフリン神父は男性で,カトリック教会の絶対的な権限を掌握し享楽的な生活も出来る.一方守旧派と目されるシスター・アロイシアスは,女性であるが故に教会の一切の権限とは無縁である.
唯一校長として生徒に絶対的権力をふるうが,一方でどこにも行き場のない老修道女を学校に任用し共に質素な生活を送っている人でもある.003
性的虐待という「疑い」を巡ってのシスター・アロイシアスとフリン神父の熾烈な闘いは,如何なる結末となるか.
メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンの(なんという絶妙なキャスティングか)文句なしの名演を堪能することが出来よう.
熾烈な闘い,しかしそれを戦うどちら側にも「正義」などあり得ず,確かなものも何もないという,苦くも極めて現代的な物語.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:皆月

日記:2010年6月某日
映画「皆月」を見る.1_2
1999年.監督:望月六郎.
出演:奥田瑛二(諏訪憲雄),北村一輝(アキラ),吉本多香美(由美),荻野目慶子(沙夜子),柳ユーレイ(我孫子),斉藤暁(荻原),篠原さとし(高岡).
花村萬月の原作を映画化した.
諏訪憲雄は建設会社に勤めるコンピュータ担当社員.ある晩帰宅すると妻が書き置きを残し,全財産と共に消えていた.3_2
40過ぎて結婚した妻を溺愛していた憲雄はうちひしがれ会社も辞めてしまう.妻の弟アキラとある晩飲み,その足でソープランドに行き由美と出会うが,事を果たせずに終わり,おまけに公衆便所でおかまに殴られる羽目に.
アキラの家に厄介になっていた憲雄はアキラの所属する組でコンピュータの仕事をするようになり,再び由美に会いに行く.由美と今度は首尾良く結ばれ,そのまま憲雄は由美のアパートに同居することに.
アキラは極めて暴力的な男で由美をひどい目に遭わせるが,憲雄には優しい.
やがて妻沙夜子が富山の皆月にいることが判り,3人はバンに同乗して皆月に向かう….
憲雄,沙夜子,アキラ,由美のそれぞれが俳優の好演もあって魅力的である.
特に吉本多香美と北村一輝が素晴らしい.2
いろいろな側面を持ちながら,皆他人にはその一面だけを見せ続ける,自分では輝けない男女4人.そのそれぞれの運命の変転が入り乱れて描かれる.
行為の最中に肩を噛むというエピソードが,最終場面で意外な事実に繋がっていく.
望月監督作品では「鬼火」と並んで好きな作品.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ベロニカは死ぬことにした

日記:2010年6月某日
映画「ベロニカは死ぬことにした」を見る.
2005年.監督:堀江慶.3
出演:真木よう子(トワ),イ・ワン(クロード),風吹ジュン(ショウコ),中嶋朋子(サチ),荻野目慶子(婦長),田中哲司,片桐はいり,多岐川裕美(京子),淡路恵子(紅子),市村正親(院長).
国立図書館の司書をし,毎日の変わらぬコンピュータ入力に屈託していたトワは, ある日一夜限りの豪勢な食事をした後ホテルの部屋で服薬自殺を図る.
目が覚めるとそこは不思議な精神病院であった.患者の調子が外れているのは当たり前だが,院長も看護師も皆風変わり.4
トワは院長から,服薬のため心臓が壊死していて,あと1週間の命と宣告される.
残された日々を静に暮らさせようと回りの患者やスタッフは気遣うが,トワは再度自殺を試みようと,ショウコに頼んで街に出るのだった….
世界的なベストセラーの原作は未読.
トワが自分の運命と向き合いながら生きる力を取り戻していく物語だが,舞台設定がかなり風変わりなので,それを受け容れる人とそうでない人で,評価は分かれるだろう.1
突っ込みどころは山のようにあるし,「何故?」と気にし始めるときりがない.患者達(特にサチなど)の振る舞いは余りに芝居がかっていて,最初は違和感を禁じ得なかった.トワがクロードと結ばれる流れも唐突な感じがする.
しかし絵全体が綺麗で,音楽(アンドレア・モリコーネ)も美しい.そこに免じて,★★★☆(★5個が満点)
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2010/06/05

独断的映画感想文:山形スクリーム

日記:2010年6月某日
映画「山形スクリーム」を見る.2_2
2009年.監督:竹中直人.
出演:成海璃子(岡垣内美香代/光笛),沢村一樹(葛貫忠経),AKIRA (EXILE)(与藻須賀三太郎),マイコ(勝海子),竹中直人(山崎田内左衛門),桐谷美玲(鏑木宙子),紗綾(敏酒圭),波瑠(波来前胸恵),温水洋一(温水洋一),六平直政(ムトゥ),田中要次(分倍河原),広田レオナ(サジエ),井口昇(瓜瓦眉執),荻野目慶子(津留子),緋田康人(織蛾味スグル),篠原ともえ(チャッピー),佐伯新(うるやん),赤井英和(鹿島津),石橋蓮司(伊東丹波成定),斉木しげる(藤本権田景頼),デビット伊東(夏彦),クリスタル・ケイ(ケイシー・千尋・セバスチャン),岩松了(岡垣内今朝明),生瀬勝久(蝦蟇且茂治郎),由紀さおり(与藻須賀トメコ).
東京の紅女子高校歴史部4名は,山形で合宿すべく担任の勝先生に連れられて山形県御釈ヶ部村にやってくる.3_5
この村には平家の落ち武者の武将と姫が非業の最期を遂げた伝説があって,村長等はこれをネタにレジャーランドを売り出そうと画策,落ち武者の霊が眠る祠を重機で倒してしまう.
その夜忽然と落ち武者が蘇り村人を殺し始める.殺された村人はキョンシー化し,村は大混乱に陥るが,美香代が光笛姫に生き写しだったことから話は思わぬ結末に向かう….4
蘇った落ち武者の霊が美香代のために無事昇天するという,成海璃子ちゃんを中心とした物語があるから辛うじて映画の体をなしているが,後は竹中直人の好き放題やり放題,ベタな芝居と古いギャグネタ,いろいろな映画のパクリ(オマージュなどという高尚な言葉は竹中向きではあるまい)を,おもちゃ箱ひっくり返したように羅列しまくる,何とも言い様のない映画.1
途中で何度,電源叩っ切って寝てしまおうと思ったか.
まあこういう映画をお金掛けて撮ることのできる竹中直人は幸せ者と言えば良いのだろう.
成海璃子ちゃんに免じて★★(★5個が満点).
しかし後味はそう悪くないのは,竹中さんの人徳でしょうか.
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独断的映画感想文:トランスポーター3 アンリミテッド

日記:2010年5月某日
映画「トランスポーター3 アンリミテッド」を見る.3_1
2008年.監督:オリヴィエ・メガトン.
製作:リュック・ベッソン,スティーヴ・チャスマン.
出演:ジェイソン・ステイサム(フランク・マーティン),ナタリア・ルダコーワ(ヴァレンティーナ),フランソワ・ベルレアン(タルコニ),ロバート・ネッパー(ジョンソン).
映画の冒頭,汚染物質を山のように積んだ貨物船がフランス沖を航行している.ドラム缶をうっかり開けた作業員が急死するという事件まで発生.3_2
一方,ある夜フランクの家に旧知のマルコムが運転するアウディが突っ込んでくる.
マルコムは瀕死,搬送されたマルコムは救急車ごと爆死してしまう.同乗していた女を救おうとしたフランクは殴られ気絶,気がつくと左腕にはブレスレットがはめられていた.
そこに悪漢ジョンソン登場,フランクに女と赤いバッグを指定先に届けるよう命令,ブレスレットは車から20メートル以上離れると爆発すると警告する.3_3
フランクは愛車アウディで出発するが,赤毛そばかすの女ヴァレンティーナは非協力的だし,コースをちょっと外れると殺し屋がわらわらと出てきて大立ち回りとなるし,おまけに目的地に着いたときちょっとした油断につけ込まれ,愛車アウディを奪われ車は見る見る遠ざかっていく.フランク絶体絶命の危機….
というおなじみのアクション映画.
うっそーと思える展開がもう慣れてしまって,フランクが次は如何なる奇策で対応するのかつい身を乗り出してしまう.3_4
フランクの3原則(契約を厳守する.依頼人の名前は聞かない.ブツの中身は見ない)を守る姿勢は一貫していつも通り(と思っていたらブツの中身を今回は見ちゃいました.実は依頼品はブツではなかった).
フランクの疾風怒濤のノンストップアクションを安心して楽しめます.
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独断的映画感想文:陸軍中野学校

日記:2010年5月某日
映画「陸軍中野学校」を見る.3
1966年.監督:増村保造.
出演:市川雷蔵(三好次郎),小川真由美(布引雪子),待田京介(前田大尉),E・H・エリック(オスカー・ダビッドソン),加東大介(草薙中佐),村瀬幸子(三好菊乃),中条静夫(中野学校教官E).
大学を出た陸軍幹部候補生の三好次郎は婚約者雪子との結婚を間近に控えていたが,ある日草彅中佐に呼び出され,新たに開設される中野学校への志願を要請される.
中野学校はスパイ養成学校であり,生徒は自分の過去も身分も捨てなければならなかったが,三好は草薙の人柄に惹かれ志願する.
雪子は忽然と姿を消した三好の行方を追って,陸軍参謀本部のタイピストに就職するが,そこで暗号諜報担当の前田大尉と知り合う….2
市川雷蔵の数少ない現代劇でこれもシリーズ化されたもの.
本編はスパイ誕生を描く第1作だが,寡黙な中で大胆冷血なスパイに変貌していく三好次郎の描写が印象的である.
草薙中佐を演じた加藤大介は昔から好きな俳優で,口跡の良さが魅力的.
中野学校の生徒の,かなり個人主義的な育成のしかたが意外であったが,国外で通用するスパイというのはそういうものかしら.
小川真弓との最後のシーンに至る流れがドラマチックだった.
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