独断的映画感想文:皆月
日記:2010年6月某日
映画「皆月」を見る.
1999年.監督:望月六郎.
出演:奥田瑛二(諏訪憲雄),北村一輝(アキラ),吉本多香美(由美),荻野目慶子(沙夜子),柳ユーレイ(我孫子),斉藤暁(荻原),篠原さとし(高岡).
花村萬月の原作を映画化した.
諏訪憲雄は建設会社に勤めるコンピュータ担当社員.ある晩帰宅すると妻が書き置きを残し,全財産と共に消えていた.
40過ぎて結婚した妻を溺愛していた憲雄はうちひしがれ会社も辞めてしまう.妻の弟アキラとある晩飲み,その足でソープランドに行き由美と出会うが,事を果たせずに終わり,おまけに公衆便所でおかまに殴られる羽目に.
アキラの家に厄介になっていた憲雄はアキラの所属する組でコンピュータの仕事をするようになり,再び由美に会いに行く.由美と今度は首尾良く結ばれ,そのまま憲雄は由美のアパートに同居することに.
アキラは極めて暴力的な男で由美をひどい目に遭わせるが,憲雄には優しい.
やがて妻沙夜子が富山の皆月にいることが判り,3人はバンに同乗して皆月に向かう….
憲雄,沙夜子,アキラ,由美のそれぞれが俳優の好演もあって魅力的である.
特に吉本多香美と北村一輝が素晴らしい.
いろいろな側面を持ちながら,皆他人にはその一面だけを見せ続ける,自分では輝けない男女4人.そのそれぞれの運命の変転が入り乱れて描かれる.
行為の最中に肩を噛むというエピソードが,最終場面で意外な事実に繋がっていく.
望月監督作品では「鬼火」と並んで好きな作品.
★★★★(★5個が満点)
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