独断的映画感想文:陸軍中野学校
日記:2010年5月某日
映画「陸軍中野学校」を見る.
1966年.監督:増村保造.
出演:市川雷蔵(三好次郎),小川真由美(布引雪子),待田京介(前田大尉),E・H・エリック(オスカー・ダビッドソン),加東大介(草薙中佐),村瀬幸子(三好菊乃),中条静夫(中野学校教官E).
大学を出た陸軍幹部候補生の三好次郎は婚約者雪子との結婚を間近に控えていたが,ある日草彅中佐に呼び出され,新たに開設される中野学校への志願を要請される.
中野学校はスパイ養成学校であり,生徒は自分の過去も身分も捨てなければならなかったが,三好は草薙の人柄に惹かれ志願する.
雪子は忽然と姿を消した三好の行方を追って,陸軍参謀本部のタイピストに就職するが,そこで暗号諜報担当の前田大尉と知り合う….
市川雷蔵の数少ない現代劇でこれもシリーズ化されたもの.
本編はスパイ誕生を描く第1作だが,寡黙な中で大胆冷血なスパイに変貌していく三好次郎の描写が印象的である.
草薙中佐を演じた加藤大介は昔から好きな俳優で,口跡の良さが魅力的.
中野学校の生徒の,かなり個人主義的な育成のしかたが意外であったが,国外で通用するスパイというのはそういうものかしら.
小川真弓との最後のシーンに至る流れがドラマチックだった.
★★★☆(★5個が満点)
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