独断的映画感想文:第9地区
日記:2010年9月某日
映画「第9地区」を見る.
2009年.監督:ニール・ブロンカンプ.
出演:シャールト・コプリー(ヴィカス),デヴィッド・ジェームズ(クーバス大佐),ジェイソン・コープ(グレイ・ブラッドナム/クリストファー・ジョンソン),ヴァネッサ・ハイウッド(タニア).
ヨハネスブルグ上空に巨大な宇宙船が現れそのまま浮かんでいる.
遂に当局が中に踏み込んでみると,中には健康を害し気力を失った無数のエイリアンがいた.
遭難し指導層に見捨てられたと考えられるエイリアン達は,宇宙船の直下に難民キャンプを作って収容されたが,20年後そこは,人口180万の巨大なスラムとなった.
治安の悪化に住民の不満が爆発,キャンプの管理を委託されている民間会社MNUは,新しいキャンプを作りそこへの隔離政策を実施に移そうとする.
傭兵に守られたMNU職員はエイリアンの同意を取り付けつつ新キャンプへの移転を進めようと作戦を開始するが….
当初,この作戦の責任者に抜擢された真面目だが脳天気なヴィカスの説明で作戦の進行が説明され,話はコメディと思われる調子で進むが,このヴィカスが小屋の捜索中に誤って謎の液体を顔に浴びたあたりから,物語が動き始める.
この液体はヴィカスのDNAに作用して,彼のエイリアンへの変身が始まってしまう.
MNUは実は武器会社でもある.宇宙船から見つかった武器は,エイリアンのDNAを持ったものにしか反応せず使用できない.
ヴィカスの感染を知ったMNUは彼を監禁,ヴィカスは人体実験を受け,臓器をバラバラにされ研究されることとなる.
そこから脱出したヴィカス,彼を追うMNUの傭兵部隊,謎の液体を使って母国帰還を意図するエイリアンのインテリ親子,スラムを支配するナイジェリア・マフィアのオバサンジョが入り乱れて,謎の液体とヴィカスの体を奪い合うサスペンスアクションが展開,このあたりからは息をもつかせぬ展開となる.
隔離政策の差別と憎悪,現代兵器を駆使した虐殺と企業論理による弱者圧殺等々,人類の抱える汚点をこれでもかと見せながらテンポ良く展開する圧倒的なアクションシーンが,絶妙である.
迫力ある結末と哀切なエピローグのバランスも宜しい.
一見の価値あり,但しエイリアンのスラムシーンは,生理的には見て楽しいものではない.
★★★★(★5個が満点)
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