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2010年11月に作成された記事

2010/11/26

独断的映画感想文:アイアンマン2

日記:2010年11月某日
映画「アイアンマン2」を見る._5
2010年.監督:ジョン・ファヴロー.
出演:ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク),グウィネス・パルトロー(ペッパー・ポッツ),ドン・チードル(ローディ),スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドー),サム・ロックウェル(ジャスティン・ハマー),ミッキー・ローク(ウィップラッシュ),サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー),クラーク・グレッグ(コールソン),ジョン・スラッテリー(ハワード・スターク),ジョン・ファヴロー(ハッピー・ホーガン),ケイト・マーラ,レスリー・ビブ(クリスティン),ギャリー・シャンドリング(スターン),フィリップ・バージェロン,ティム・ギニー,エリック・L・ヘイニー,ヘレナ・マットソン,スタン・リー.
前作の終わりから始まるシリーズ第2弾.
パワースーツをまとったアイアンマンを,国は兵器と見なし,国家にパワースーツを渡すよう,トニーを公聴会に呼び出す._3
公聴会を切り抜けたトニーだったが,エネルギー源のアーク・リアクターによる副作用はトニーの体を蝕んでいた.
一方,かってトニーの父と共にアーク・リアクターを開発した男の息子は,スタークスへの復讐のため独自のパワードスーツを開発,モナコのカーレース会場に現れてトニーに戦いを挑む….
人気絶頂のアイアンマンとしてスタートするこの映画,しかしトニーはまさに内憂外患状態,パーティーでアイアンマンのスーツのまま酒に溺れたり,親友のローディとパワードスーツを着ての大げんかを演じたりという醜態をさらし,ローディにスーツを提供する結果となる.
アイアンマンは9/11以前の脳天気な世界観の中,かっこつけた主人公が世界のヒーローを演じるお話しだと思っていたが,どうも第2作は不調である._1
アイアンマンはかっこいいヒーローなのだから,こういう風に悩んじゃ駄目でしょ.
それなら,世界平和はアイアンマンが守るなどという位置取りをしなきゃ良かった.
一方,平和の守護神たるアイアンマンがこんな個人的な悩みをぐずぐず悩んでいるのに対し,国家の対応が優しすぎる.国家はもっとあざとく無慈悲なものでしょ.
国の役に立たないアイアンマンなぞ抹殺されて当然と思うのだが.どうもすっきりしないまま終わってしまった第2作,グィネス・パルトロウは好きだし,スカーレット・ヨハンソンも出てきたのは良いんだけどね._2
★★☆(★5個が満点)
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2010/11/23

独断的映画感想文:アイアンマン

日記:2010年11月某日
映画「アイアンマン」を見る.3_2
2008年.監督:ジョン・ファヴロー.
出演:ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク),ジェフ・ブリッジス(オバディア・ステイン),テレンス・ハワード(ローディ),グウィネス・パルトロー(ペッパー・ポッツ),ショーン・トーブ(インセン),レスリー・ビブ(クリスティン),ファラン・タヒール,サイード・バッドレヤ,ビル・スミトロヴィッチ,クラーク・グレッグ(コールソン),ティム・ギニー,ジョン・ファヴロー(ハッピー・ホーガン),スタン・リー,サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー).
アメリカを代表する兵器会社の2代目社長で天才発明家,トニー・スタークは,新しいミサイル兵器「ジェリコ」のお披露目でアフガニスタンを訪れる.
ところが彼の乗った車はゲリラに襲われ,彼は胸に負傷を負い拉致・監禁される.
「ジェリコ」と同等の兵器を作るよう強要された彼は,それを作るふりをして鋼鉄製のパワースーツを開発,それを身につけて脱出に成功する.1_2
自社の兵器がゲリラ側にも使われていたことを目の当たりにした彼は,兵器製造の中止を宣言,自ら改良したパワースーツを着用し「アイアンマン」が平和を守ると宣言するが….
アメコミ映画化の作品として,バットマン等の先行する作品と共通点が多い.
この作品の場合彼の会社は兵器製造を止め,その代わりに彼が「アイアンマン」を勤めることで平和を守ると言っているわけだが,ゴッサム市一つをバットマンが守り切れていないのに,アイアンマン一人が何故世界平和を守れるのかがよく判らない.
案の定大変な騒ぎが持ち上がるのだが,まあそういうマジな視点に関しては,この作品は9.11以前の脳天気なスタンスを保っていると思って宜しい.2_2
それよりは酒と女,美人秘書,最新鋭の車を乗り回すという,今風の007映画として楽しめばいいかも知れない.アクション映画としてテンポ良く,気楽に楽しめる.
★★★(★5個が満点)
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2010/11/15

独断的映画感想文:グリーン・ゾーン

日記:2010年11月某日
映画「グリーン・ゾーン」を見る.04
2010年.監督:ポール・グリーングラス.
出演:マット・デイモン(米国陸軍上級准尉/MET隊隊長 ロイ・ミラー), グレッグ・キニア(国防総省/情報局 クラーク・パウンドストーン), ブレンダン・グリーソン(CIA マーティン・ブラウン), エイミー・ライアン(ウォール・ストーリト・ジャーナル記者 ローリー・デイン), ハリド・アブダラ(フレディ),ジェイソン・アイザックス(米国陸軍少佐 ブリッグス).
イラク戦争でアメリカがバクダッドに侵攻した直後.「大量破壊兵器」の隠匿情報を追っているMET隊の隊長ミラー上級准尉は,兵器が全く発見されないことで,上部から示される隠匿情報への疑問を深めていた.
情報を提供する情報局のパウンドストーンの情報源「マジェラン」を追う記者デイン,同じく情報源を疑うCIAのブラウンと接触したミラーは,偶然摘発した旧イラク軍幹部の会合に出席していた元将軍を,情報源として追跡することになる….
この映画には疑問がいくつかありますね.02
そもそも,いくら独立的に動く兵器摘発部隊の准尉だとしても,部下丸ごと指揮命令系統から離れてCIAと連携して動くなどということがあり得るでしょうか.
部下だってそんな作戦についてくる訳がない(これは任務じゃないと言ってミラーの動きに反対する部下もいる).
映画の最後でミラーは自分の関わった事件の顛末をレポートするのだが,こんなレポートの公表を軍が認めるとも思えない.
アメリカ軍は中国やロシアとは違うぞ,ということをこの映画はアピールしたいのでしょうか.
それはともかく,ジェイソン・ボーン・シリーズをヒットさせたこの監督のスタイル,特に全編に亘り手持ちカメラの激しく切り替わるショットを多用するスピーディーな画面は見応え充分.05
また,破壊し尽くされたバクダッドの俯瞰シーンなどの映像は,良くできていると思う.
映画として見て損は無し.
イラク戦争については,嘘をついて他国を侵略した当の本人や,その忠実な盟友であった自公連立政権の元首相はじめ,責任を取るべき人が何の責任も取らないという現実の世界の方が,映画より遙かに問題がありますね.
★★★☆(★5個が満点)
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2010/11/11

独断的映画感想文:食堂かたつむり

日記:2010年11月某日
映画「食堂かたつむり」を見る.02
2010年.監督:富永まい.
出演:柴咲コウ(倫子),余貴美子(ルリコ),ブラザー・トム,田中哲司,志田未来,満島ひかり,桜田通,徳井優,諏訪太朗,佐藤二朗,草村礼子,佐々木麻緒,山崎一,上田耕一,江波杏子,三浦友和.
母ルリ子の不倫の子として生まれた(?)倫子は,母の元を離れ祖母に料理の腕を仕込まれて育つ.
祖母の死後男と付き合い入籍直前まで行くが,男は倫子の全てを奪って逃げた.
ショックの余り失語症になった倫子は,実家に帰りルリ子の元で暮らす.ルリ子の飼い豚エルメスの食事作りに成功した倫子は,離れを改造して食堂を開くことを思いつく….
いやあこの映画,突っ込みたくなることはいっぱいあります.
そもそもこの食堂が何故成り立っているのか,が判らない.01
何故客は一日1組だけなのか.何故その客が満足するメニューが倫子には作れるのか.
それに倫子の父親は誰かということは何故触れられないのか,特に三浦友和が登場したときにそのことは何故問題にもならなかったのか.
いろいろ疑問です.03_2
でもそんなことはどうでも良いのです.柴咲コウの演技が見られたのが何といっても嬉しい.
こんなにちゃんと見られたのは「メゾン・ド・ヒミコ」以来じゃないかしら.
そりゃあ他の映画にも出ていましたよ.でも「少林少女」とか,「どろろ」とか(それぞれ悪い映画ではないけれど),言っちゃ悪いけど柴咲コウの事務所って何を考えているのか.
この貴重な素材をもっと女優としてちゃんと育てなさいよ.
この映画を見てそういうことを痛切に感じます.
ファンタジーとしてこの映画は素敵です.柴咲コウを見る映画としてはもっと素敵です.
ついでに言うと,最後に流れる主題歌,Fairlifeの「旅せよ若人」はとてもいい曲です.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:男の敵

日記:2010年11月某日
映画「男の敵」を見る.1
1935年.監督:ジョン・フォード.
出演:ヴィクター・マクラグレン,ヘザー・エンジェル,プレストン・フォスター,マーゴット・グレアム,ウォーレス・フォード,ウナ・オコナー,ジョセフ・ソーヤー,フランシス・フォード.
1935年度のアカデミー賞4部門を獲得した名作.
1922年のダブリン,アイルランド独立義勇軍は英軍と激しく対立している.
怪力を誇る大男のジポは,処刑を命じられた裏切り者に命乞いされ逃がしてしまったかどで義勇軍から追放され,食べるものにも事欠く有様だった.
恋人の街娼婦ケイティのために20ポンドの金を作ろうと思い立ったジポは,親友で義勇軍のお尋ね者フランキーを英軍に密告し,その賞金20ポンドを手に入れる.3
ところが金を手に入れたジポは酒場で飲み始め,たかられるままに金をばらまいていくのだった….
余りにも愚かな男ジポを巡る,一夜の出来事を描くドラマ.
観客にとってこの映画は,苦い映画である.
裏切りで始まるドラマの主人公ジポは,誰から見ても共感を持ち得ない.そのためにフランキーの家族は悲しみのどん底に突き落とされ,義勇軍は存亡の危機に瀕する.
観客は主人公に感情移入どころか,嫌悪感を持ちながらドラマの行く末を見守ることになる.2
救いは最後のシーンでようやくもたらされるが,人間の愚かさと人生の苦しさをこのように描いた作品が,アカデミー賞4部門を制覇したことは驚きでもある.
映画は,霧深いダブリンの街の一夜の出来事を描いて,緊張感高く展開する.苦い印象ではあるが,如何にも映画らしい映画.
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2010/11/04

独断的映画感想文:スタスキー&ハッチ

日記:2010年11月某日
映画「スタスキー&ハッチ」を見る.Sh2
監督:トッド・フィリップス.
出演:ベン・スティラー(デヴィッド・スタスキー),オーウェン・ウィルソン(ケン・ハッチンソン),スヌープ・ドッグ(ハギー・ベア),フレッド・ウィリアムソン(ドビー主任),ヴィンス・ヴォーン(リース・フェルドマン),ジュリエット・ルイス(キティ),ジェイソン・ベイトマン(ケビン),エイミー・スマート(ホリー),カーメン・エレクトラ(ステイシー).
70年代の人気TVドラマの映画版コメディ.
規律と規則を守り過ぎて融通の利かない困ったチャン刑事スタスキーと,調子が良すぎて裏商売に熱心な外れた刑事ハッチは,両名とも署長の頭痛の種.
署長はこの2人にコンビを組ませることにする.二人は不審な水死体の事件を担当するが….
融通の利かない割には決断力に富んだ大アホのスタスキーは失敗に失敗を重ね,とんでもないいい加減な男に見えたハッチが結構常識を働かせてフォローに回るという,まあ結局警察を馬鹿にしているんでしょうね,これは.
元のTVシリーズは派手なカーアクションと意外な硬派のスタンスが特徴だったらしいが,本作は思いっきり脱力系のお馬鹿映画と思って見ていれば宜しい.
監督はあの怪作「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」の原案提供者だそうで,この映画にもどこか似た印象が感じられる.
映画の最後にTVオリジナルのスタスキーとハッチが(もういい年です.写真の中央が彼ら,両脇が本作の2人))出てくるが,この人達も浮かない顔つきだ.Sh1
「撮影裏話」と称するボーナスビデオで,ほぼ全登場人物が「俺は天才だが他の奴らは馬鹿ばっかりだ」という趣旨のことを言い合っているのも,面白い.
この映画,単体でも結構面白いと思うのだが,何故劇場未公開だったのだろう?警察を馬鹿にしすぎたせいだろうか?
★★★☆(★5個が満点)
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