独断的映画感想文:ゴールデンスランバー
日記:2010年11月某日
映画「ゴールデン・スランバー」を見る.
2009年.監督:中村義洋.
出演:堺雅人(青柳雅春),竹内結子(樋口晴子),吉岡秀隆(森田森吾), 劇団ひとり(小野一夫),柄本明(保土ヶ谷康志),濱田岳(黒いパーカーの男 キルオ),渋川清彦(岩崎英二郎),ベンガル(轟静夫),大森南朋(樋口伸幸),貫地谷しほり(凛香),相武紗季(井ノ原小梅),永島敏行(小鳩沢),石丸謙二郎,ソニン,鶴田亜美,でんでん,滝藤賢一,木下隆行,木内みどり,青柳照代,竜雷太,伊東四朗,青柳一平,香川照之,佐々木一太郎.
初夏の仙台の街.友人森田と釣りの約束で待ち合わせた青柳は,信号の向こうに森田を認め手を振る.
森田の後をついてその車に乗り込むと,森田は青柳にミネラルウォーターを渡す.それを飲んだ青柳はそのまま寝入ってしまった.
目が覚めると森田は驚くべき告白をする.森田は脅迫を受けて青柳を罠にかけた,もうすぐ通る首相のパレードが襲われ,青柳はその犯人にでっち上げられるのだと.
逃げろという森田の言葉に青柳が車から出ると,パレードの通りから爆発音が轟き,警官が青柳に向かって迫ってくる.逃げる青柳の背後で森田の車が火を噴く….
青柳のかっての恋人樋口晴子は,そのニュースに驚きサークル仲間と連絡を取り合うが….
伊坂幸太郎のベストセラーの映画化.原作は未読.
首相を暗殺した上青柳を罠にかけ,圧倒的な組織力で追う警察と,青柳の数少ない仲間が渡り合う闘争の顛末を描く.
いろいろな伏線が次々と生きてくる展開や,子役の活躍,学生時代のエピソードの紹介も過不足なく,青春映画としても見易いものになっている.
一方で,青柳の命を救うキーパースンとなるキルオの登場は違和感がある.これから先はネタバレであるが,キルオは連続通り魔殺人の犯人である.その男がたまたま青柳の延命に手を貸したということで,えらく叙情的に描かれるのは納得が出来ない.
もっとおかしいのは,警察をも巻き込んだ首相暗殺という大事件が,この映画にとってはほんの背景に過ぎないという扱いで,ま,エンターテインメントってそういうもんだと言われればそれまでなんすけど.
映画としては最後まで面白い.
後から考えると上述の不足が出る憾みあり.
俳優では竹内結子,堺雅人が良い.柄本明は相変わらずの怪演,永島敏行が,どうしようもない殺人好きの刑事役を演じてそれらしく好演.
★★★☆
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