独断的映画感想文:ハート・ロッカー
日記:2011年3月某日
映画「ハート・ロッカー」を見る.
2008年.アメリカ.監督:キャスリン・ビグロー.
出演:ジェレミー・レナー(ウィリアム・ジェームズ二等軍曹),アンソニー・マッキー(J・T・サンポーン軍曹),ブライアン・ジェラティ(オーウェン・エルドリッジ技術兵),レイフ・ファインズ(請負チームリーダー),ガイ・ピアース(マット・トンプソン軍曹),デヴィッド・モース(リード大佐),エヴァンジェリン・リリー(コニー・ジェームズ),クリスチャン・カマルゴ(ケンブリッジ大佐).
アカデミー賞作品賞受賞の戦争映画.
2004年,バクダッドで爆弾解体処理の任務に就くブラボー中隊爆発物処理班.1名が任務中爆死し,後任としてきたジェームズ軍曹は,マニュアルを守らない無謀な爆発物処理で任務をこなす.
サンポーン軍曹,エルドリッジ技術兵との軋轢を乗り越えつつ,それなりに結束して成果を上げていく彼らだったが….
戦闘の圧倒的な現実の前に立ちすくむ映画である.
冒頭バクダッドの街中で発見された爆弾処理に自走ロボットを使って取り組む処理班.
自走ロボットが不調でトンプソン軍曹が自ら処理に近寄るが,周囲を取り巻く群衆の中に携帯電話を持っている男が居る.
エルドリッジ技術兵が携帯を捨てる様叫び,サンポーン軍曹がその男を射殺する様指示を飛ばすが,エルドリッジが躊躇ううちに爆発が起こり,トンプソンは殉職する.
この冒頭のエピソードで,観客は戦闘のいかんともし難い現実と彼らの任務の過酷さとを思い知らされることだろう.
その後も死と隣り合わせの任務は連日続き,また砂漠で遭遇した敵兵との1日を費やす狙撃戦では,処理班3名の別な戦闘能力も見せつけられる.
感動や感銘というものと違う,ただただ圧倒されたという印象の残る映画.
物語にスキはなく,映像技術や効果的にも最高の仕事と言えようが,楽しめる映画かどうかは,見る人に依るだろう.
★★★★(★5個が満点)
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