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2011年4月に作成された記事

2011/04/23

番外:独断的歌舞伎感想文:新橋演舞場四月大歌舞伎(昼の部)

日記:2011年4月某日
歌舞伎「新橋演舞場4月大歌舞伎(昼の部)」を見る.Shinbashi201104b
「一、お江戸みやげ(おえどみやげ)」.出演:お辻(三津五郎),文字辰(扇 雀),お紺(孝太郎),鳶頭六三郎(亀 鶴),角兵衛獅子(巳之助),女中お長(右之助),市川紋吉(萬次郎),阪東栄紫(錦之助),おゆう(翫 雀).
川口松太郎作の人情もの.良くできた芝居で,腹を抱えて笑いしんみりとして終わる.主演の三津五郎のおばさん女形もいいが,翫雀が何と言っても素敵,一見の価値有り.
そう言えばNHKの朝ドラ「おていちゃん」(遙か昔であります)で板東三津五郎は沢村国太郎役,翫雀は加藤大介役で,兄弟同士だった筈.
「二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 檜垣 奥殿」出演:一條大蔵長成(菊五郎),常盤御前(時 蔵),八剣勘解由(團 蔵),鳴瀬(家 橘),お京(菊之助),吉岡鬼次郎(團十郎).
この芝居は豪華出演陣にも関わらず,前半スローテンポな展開につい居眠り.大詰めはさすがに各俳優の貫禄で見応え有り.
「恋飛脚大和往来 三、玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)」出演:亀屋忠兵衛(藤十郎),傾城梅川(扇 雀),丹波屋八右衛門(三津五郎),井筒屋おえん(秀太郎),槌屋治右衛門(我 當).
元来僕は,上方のつっころばしと言われる亀屋忠兵衛のようなタイプは大の苦手だが,この籐十郎の忠兵衛は,圧倒的に舞台を支配して見事.
井筒屋おえん(秀太郎),槌屋治右衛門(我當)の両脇役もぴったりはまって素晴らしい.
三津五郎は地のニンが良い人過ぎて,憎々しい人物に見えないところが残念.
来月はこの忠兵衛を勘太郎がやるのを明治座に見に行くのだが,どういうことになるだろうか?
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独断的映画感想文:時をかける少女

日記:2011年4月某日
映画「時をかける少女」を見る.03
2010年.監督:谷口正晃.出演:仲里依紗(芳山あかり)、中尾明慶(溝呂木涼太)、安田成美(芳山和子)、勝村政信(浅倉吾朗)、石丸幹二(深町一夫)、青木崇高(ゴテツ(長谷川政道))、石橋杏奈(芳山和子(’74年))、千代将太(浅倉吾朗(’74年))、柄本時生(元宮悟).
筒井康隆原作の名SFを,1983年(オリジナル),1997年(角川春樹 制作・監督・脚本.こんな恐ろしいもの誰が見るか),2006年(アニメ)に続きまたもや映画化.02
オリジナルで原田知世ちゃんが演じた芳山和子は今や薬学部の先生.ところが彼女は交通事故に遭い昏睡状態へ.一時目の覚めた彼女は,娘のあかりに過去に行って深町君に自分のピンチを伝えてと言い残し,また昏睡へ.母の作った薬を飲んで過去に向かったあかりだが,72年4月に行くべきところ間違って74年2月に到着.深町君の行方は全く判らない.仕方なくたまたま母校で出会った映画監督志望の溝呂木の下宿に転げ込み,この時代の母・和子に深町君の行方を聞きに行くのだが….
この映画は主演の仲里依紗が素敵.元気でエネルギッシュでさっぱりしていて情が深い.こんな可愛い子にどうして溝呂木その他の男どもはもっと迫らなかったのか,と思うのだが.01
映画の構成もちょっと哀しくちょっとロマンチックで,ヒロインの魅力で最後まであっと言う間だった.
でも,あまりにも曖昧な母親の願いに応じ,何故40年前にダイブしたのかは今ひとつ納得がいかない.深町君に助けられなかったら永遠に40年前の子になっていたろうに.
★★★☆
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2011/04/11

独断的映画感想文:ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

日記:2011年4月某日
映画「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を見る.4
2009年.監督:トッド・フィリップス.
出演: ブラッドリー・クーパー(フィル),エド・ヘルムズ(ステュ),ザック・ガリフィナーキス(アラン),ヘザー・グレアム(ジェイド),ジャスティン・バーサ(ダグ).
2日後に結婚式を控えたダグは,悪友2人と義理の弟になるアランと共にラス・ベガスで派手に騒ごうと,義父の愛車クラシック・ベンツを借りて勇躍出発する.3
目指すホテルに着いた一行は,ホテルの屋上でアランの持ち込んだ酒でまずは乾杯,夜のベガスに出撃する.
ところが翌朝目が覚めてみると,ホテルのスイーツは荒れ放題,ステュの糸切り歯は抜けてアランのポケットに入っており,部屋には鶏,バスルームには虎,クローゼットには何と赤ん坊が居る上,花婿ダグは行方不明.
全員の記憶が完全に飛んでおり何が起こったかさっぱり判らない.
更に駐車場に停めた筈のベンツは本物のパトカーに変わっている.それに乗ってダグを探しに街に出ると,出先でステュは昨夜ストリッパーと正規の結婚をしたことが判った上,謎の中国人がパトカーを襲ってくる.
さて一体何が起こったのか,花婿の行方は何処…?2
ミステリータッチのコメディだが,大傑作.奇想天外な設定,テンポ良く進行する謎の展開と一行の悪戦苦闘に引き込まれ,時間があっという間だ.
更にこの映画の良いところは,この並外れた馬鹿騒ぎに対するある種の免責が用意されていること(ネタばらしになりますが言ってしまうと,アランが最初に皆に飲ませた酒に薬を仕込んでいたのである.アランは酒とヤクに関する危険人物だという前振りもしてある),問題解決のための彼らの取り組みが前向きであること,しかも頑張っても頑張ってもダグの行方が見当もつかないという引っ張り方等であろう.
終わってみればめでたしめでたしの大団円,今の様な心がめげている時には,このような映画が心地良い.
★★★★(★五個が満点)
蛇足ながら,ホテルの部屋に鶏がいた謎が未解決に残ったのは残念.
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番外:独断的歌舞伎感想文:新橋演舞場四月大歌舞伎(夜の部)

日記:2011年4月某日
新橋演舞場で「4月大歌舞伎 夜の部」を見る.Shinbashi201104b
「一、絵本太功記(えほんたいこうき)  尼ヶ崎閑居の場」.
出演者:武智光秀(團十郎),操(魁 春),武智十次郎(時 蔵),初菊(菊之助),佐藤正清(三津五郎),皐月(秀太郎),真柴久吉(菊五郎).
ご存知明智光秀と羽柴秀吉の対決もの.
この芝居の魅力は,前半の女形3人の芝居(魁春,秀太郎,菊之助)と,後半の團十郎,菊五郎,三津五郎と役者の揃った舞台であろう.
前半は女形それぞれの魅力が楽しめ,特に菊之助の美しさに引き込まれた.魁春は先月に続き奮闘.
「男女道成寺(めおとどうじょうじ)」.
白拍子桜子実は狂言師左近(松 緑),白拍子花子(菊之助).
長唄連中・常磐津連中が居並ぶ豪華な舞台だが,先月の吉原雀に比べて若手二人の踊りは乗りが今ひとつ.しかし衣装の引き抜きを交えた絢爛な舞踊が楽しめた.
「三、権三と助十(ごんざとすけじゅう)」.
権三(三津五郎),助十(松 緑),助八(亀三郎),願人坊主雲哲(亀 寿),小間物屋彦三郎(梅 枝),願人坊主願哲(巳之助),左官屋勘太郎(市 蔵),石子伴作(権十郎),猿廻し与助(秀 調),権三女房おかん(時 蔵),家主六郎兵衛(左團次).
この芝居は以前にも見て井戸替えの陽気な雰囲気が記憶にある.
大好きな左團次が,少々科白が怪しい気配もあるが,楽しそうに長屋の大家を演じていてご機嫌.
原作が岡本綺堂で推理劇なのだが,そのネタ振りはたいしたことはありません.
三津五郎,時蔵,松緑も適役で見て楽しかった.
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