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2011年5月に作成された記事

2011/05/29

独断的映画感想文:ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う

日記:2011年5月某日
映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」を見る.1
監督: 石井隆.出演:竹中直人(紅次郎),佐藤寛子(加藤れん),東風万智子(安斎ちひろ),井上晴美(田中桃),宍戸錠(山神直樹),大竹しのぶ(加藤あゆみ),津田寛治.
冒頭,何事か叫びながら若い女性達に殴る蹴るの暴行を働く老人,殴られていた田中桃が包丁で老人を刺殺する.
戻ってきた母親を加え今度はこの死体を解体し始める3人.何とも凄惨なシーンで映画は始まる.
親子3人はポールダンスを披露する小さな酒場を経営しているが,その傍ら老人を色仕掛けで内縁関係に持ち込み,保険をかけて自殺を装った殺しで片付けるという荒っぽい家業.
死体を富士山麓の樹海で処理するが,れんは誤って老人のローレックスを一緒に捨ててしまう.
身元がばれる証拠になりかねないローレックスの回収を桃に責められ,れんは何でも代行屋の紅次郎を訪ね,ローレックスの回収を依頼.2
奇跡的にローレックスは回収されたが,れんは更に次郎に接近して,たえと云う女を探し出して欲しいと依頼する….
父との間に凄惨な過去を背負ったれんの,次郎を巡る愛と狂気を描いたサスペンス.前作の「ヌードの夜」は未見.
しかしこの監督の「天使のはらわた」シリーズ以来の何とも言えぬ濃密な雰囲気は,この作品にも残っているようだ.
物語は荒唐無稽だが,親子3人の女優陣の働きは大きい.
特に佐藤寛子の量感豊かなヌードの圧倒的な存在感は,この映画の殆ど全てと言って良い.3
最近の竹中直人は極めて苦手な俳優の一人だが,佐藤寛子のおかげか変な芝居に走らずエピローグまで無事に勤めたのは,有り難いことである.
★★★☆(★五個が満点)
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番外:独断的歌舞伎感想文:新橋演舞場五月大歌舞伎(夜の部)

日記:2011年5月某日
新橋演舞場五月大歌舞伎を見る.Sinbashi201105
「一、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)  発端 戸田川原お清殺しの場より  大詰 立花屋大屋根捕物の場まで」.
出演:佐野次郎左衛門(吉右衛門),八ツ橋(福 助),立花屋おきつ(魁 春),九重(芝 雀),下男治六(歌 昇),盲の文次(錦之助),七越(高麗蔵),腹太弥七(松 江),禿山の松蔵(種太郎),初菊/娘お千代(壱太郎),赤目の卯左吉(種之助),土竜の石松(米 吉),絹商人丈助(桂 三),絹商人丹兵衛(由次郎),釣鐘権八(彌十郎),都築武助(歌 六),佐野次郎兵衛(段四郎),立花屋長兵衛(東 蔵),高松安之進妻おとし(秀太郎),繁山栄之丞(梅 玉),立花屋お駒(芝 翫).
籠釣瓶は通常の構成に,発端である主人公佐野次郎左衛門の父親が悪事を働く場から,次郎左衛門剣の師匠都築武助との巡り会いと妖剣籠釣瓶を手に入れるまでを加え,更に事件後の大捕物までを後につけている.
吉右衛門渾身の演技(顔のあばたからも決意が伝わってくる)がやはり良い.
腰の低い商人・次郎左右衛門の,愛想づかしの場を経て狂気の殺人にいたる変化の恐ろしさを演じて見事である.
特に立花家2階で恨み言を述べた後,一瞬で籠釣瓶を手にし八ツ橋を切り捨てる呼吸が素晴らしい.
福助も,愛想づかしをするものの揺れ動く遊女の気持ちが表れる芝居で,印象的だった.九重を演じる芝雀が人情に溢れ美しい.
「二、あやめ浴衣(あやめゆかた)」
出演:若い女(芝 雀),若い男(錦之助),若い男(歌 昇).
こちらは江戸時代の新作浴衣のコマーシャルソングだったそうで,うって変わって明るく華やかな舞台,こちらも芝雀が奮闘.
9時前に終了.
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2011/05/20

独断的映画感想文:リバー・ランズ・スルー・イット

日記:2011年5月某日
映画「リバー・ランズ・スルー・イット」を見る.A_river_runs_through_it1
1992年.監督:ロバート・レッドフォード.
出演:ブラッド・ピット(ポール・マクリーン),クレイグ・シェイファー(ノーマン・マクリーン),トム・スケリット(マクリーン牧師),ブレンダ・ブレシン(マクリーン夫人),エミリー・ロイド(ジェシー・バーンズ),スティーヴン・シェレン(ニール・バーンズ),ニコール・バーデット(メイベル),ヴァン・グラヴェイジ(若き日のポール),ジョセフ・ゴードン=レヴィット(若き日のノーマン).
映画の冒頭,黄昏の川で一人,フライフィッシングに興じる老人.
その擬似餌を糸につける年老いた手が印象的だ.この映画の原作はシカゴ大学教授ノーマン・マクリーンの自伝的小説である.
教会牧師の父と優しい母のもと,真面目で詩の好きなノーマンと,奔放で明るいポールの兄弟は,父から教えられたフライフィッシングを愛して共に成長する.A_river_runs_through_it5
やがて成人したノーマンは,ダートマス大学に6年遊学した後帰郷,いくつかの大学に職を求める.ポールは地元の大学を出て新聞記者となり,街に暮らす.
物語はノーマンが帰郷して就職が決まるまでの夏の日々を中心に,マクリーンの家族を描く.
この映画の魅力は,独断的に言えば3つある.
1はモンタナの美しさの描写であろう.物語の中心舞台となるその川の流れ,せせらぎの音の美しさはどうだろう.あるいは川霧に煙る山々のたたずまい,あるいは夕陽に輝く山並みにかかる雲.淡々と進む物語の主人公はまるでこのモンタナの自然の様だ.A_river_runs_through_it2
2はフライフィッシングの妙技である.川面を自在に飛び巡る擬似餌をつけた糸,しなる竿,それはまるで擬似餌や竿を用いた故郷の川との対話の様だ.
3はそのフライフィッシングを絆として固く結ばれた兄弟.
真面目で不器用な兄がしかし挫折しながらも人生の成功を着実に勝ち取っていくのに対し,奔放な弟は,その溢れる才気,神業と思えるフライフィッシングの腕にもかかわらず,自ら運命の渦に身を投じていく,それを兄といえど止めることが出来ない.
この対比が映画の軸となっている.
俳優では,まだ20代のブラッド・ピットが,少年の面影を残したポールを好演,ノーマンを演じるクレイグ・シェイファーも安定の演技.A_river_runs_through_it4
エピローグで再び老人として川釣りをするノーマンの映像に,観客は深い印象を覚えるであろう.
映画の虜となる至福の124分.必見の作品.
★★★★☆(★5個が満点)
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2011/05/15

番外:独断的歌舞伎感想文:明治座五月花形歌舞伎

日記:2011年5月某日
「明治座五月花形歌舞伎」を見る.Meijiza20110508
演目は,「一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館」.
出演:佐藤忠信/忠信実は源九郎狐(市川 亀治郎),静御前(市川 門之助),駿河次郎(中村 亀鶴),亀井六郎(市川 弘太郎),川連法眼(市川 寿猿),妻飛鳥(上村 吉弥),源九郎判官義経(市川 染五郎).
亀治郎の狐忠信は期待通り,美しく動き良く,口跡も良く,歌舞伎らしい舞台であった.
如何にもメリハリのある大きな動きは澤瀉屋流なのだろうか.
最後桜吹雪の中,嬉しさに踊りながら空を駈けていく大暴れの宙乗りが素晴らしい.門之助の静御前はちょっと姉さん女房的な感じ.
「けいせい倭荘子 二、蝶の道行(ちょうのみちゆき)」.
出演:助国(市川 染五郎),小槇(中村 七之助).
二人とも美男美女の美しい踊りだが,死後の世界の哀れさはもう一つ.
「三、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)  封印切」.
出演:亀屋忠兵衛(中村 勘太郎),傾城梅川(中村 七之助),井筒屋おえん(上村 吉弥),槌屋治右衛門(片岡 亀蔵),丹波屋八右衛門(市川 染五郎).
前回は籐十郎で見た封印切り,今回は若い役者での舞台だが,勘太郎の上方風つっころばしは今ひとつ板についていない.
亀蔵が良い旦那役をやっていると板尾創治がまともな人を演じているような居心地の悪さを感じるのは,偏見だろうか.
全体としてはさすがに名狂言で,熱演の意気を感じる出来であった.
明治座は見易く,正面の良い席だったので歌舞伎を堪能できた.有り難し.
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独断的映画感想文:アンストッパブル

日記:2011年5月某日
映画「アンストッパブル」を見る.Unstoppable2
2010年.監督:トニー・スコット.
出演: デンゼル・ワシントン(フランク・バーンズ),クリス・パイン(ウィル・コルソン),ロザリオ・ドーソン(コニー・フーバー),イーサン・サプリー(デューイ),ケヴィン・ダン(ガルビン),ケヴィン・コリガン(ワーナー),ケヴィン・チャップマン(バニー), リュー・テンプル(ネッド),T・J・ミラー(ギリース),ジェシー・シュラム(ダーシー・コルソン),デヴィッド・ウォーショフスキー(スチュワート),ミーガン・タンディ(マヤ),エリザベス・マシス(ニコル).
はじめは些細ないい加減な作業がきっかけで,38両連結の貨物列車が乗務員不在で暴走し始める.大量の燃料と有毒化学物質を積み,転覆したら大惨事になる.
列車は加速して時速100キロを越え,人口密集地にある大カーブに向かって驀進,このままでは脱線転覆は避けられない.Unstoppable3
ベテラン機関士と新米車掌コンビが乗り組んだ別の貨物列車は,この暴走列車に遭遇,あわやというところで待避線に滑り込んで正面衝突を免れる.
機関士フランクは貨物車を切り離し,車掌ウィルと共に機関車1台で暴走列車を追いかける.追いついて連結し,ブレーキをかけて暴走を止めようという作戦なのだが….
単純明快なアクション映画,簡単なプロローグからすぐに列車暴走にいたり,後は息つく暇なく手に汗握る怒濤の展開,時の経つのを忘れます.
この映画の良いところはまず鉄道ものという誰しも親しみを持つジャンルであること.
ベテランとニューフェースの鉄道マンが惨事を食い止めヒーローになるなんて格好いいじゃないですか.相手は邪悪な「テロリスト」でもなければ陰謀と裏切りのCIAでもない.ただ人が乗っていないというだけのふつーの列車である.Unstoppable4
それから,暴走という事件以外のややこしい要素が不必要に書き込んでいないこと.
ウィルは離婚調停中らしいしフランクは妻を病気でなくしているらしいが,その辺りの事情は,追跡中の機関車の中の会話で明らかになる程度である.
まあ全体としては突っ込みたいところもあるが(例えば,わざと脱線させようという作戦を実施している時に,その線路の回りに警官やメディア,消防士や野次馬がうじゃうじゃいるのはどういう訳だ?最後の決め手になった作戦だって,主人公達の他に考えつく人が誰もいなかったとは信じられないくらいの,当然の作戦だ),あまり気にならないうちに大団円になってしまう.Unstoppable1
俳優ではデンゼル・ワシントンが安定して良し.女性運行部長のロザリオ・ドーソンも素敵.
気楽に見られる映画.
★★★☆(★5個が満点)
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2011/05/04

独断的映画感想文:武士道シックスティーン

日記:2011年4月某日
映画「武士道シックスティーン」を見る.1
2010年.監督:古厩智之.
出演:成海璃子(磯山香織),北乃きい(西荻早苗),石黒英雄(磯山和晴),荒井萌(田村咲月),山下リオ(久野こずえ),高木古都(浜村ゆかり),賀来賢人(岡巧),古村比呂(西荻景子),堀部圭亮(小柴隆造),小木茂光(磯山恵介),板尾創路(甲本肇).
磯山香織は,剣道道場主の父親に剣道一直線で育てられた16歳.中学選手権を取ったが,たった一度負けてしまった相手・西荻早苗を求め,彼女が在学する女子校に入学する.3
しかし剣道部でであった西荻は,逃げ足は速いが全く平凡な一剣道部員だった….
自分を破った相手にもっと強くあれと迫る純体育会系磯山香織と,剣道は好きだが普通の女子高生でいたい西荻早苗の,次第に育つ不思議な友情と剣道を巡る葛藤を描く青春ドラマ.
「ぬるい」剣道部を男言葉で罵倒する磯山香織と,甘味とファッションで香織を籠絡する早苗のやりとり等,成海璃子と北乃きいの絡みが面白い.2
演技的には,一直線の性格を演じる成海璃子より紆余曲折に富んだ平凡な少女の心情を演じる北乃きいの方が見応えあり.北乃きいの演ずる早苗の冒頭と終盤での目つきの違いは,明らかである.
青春ドラマとして過不足無く,見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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2011/05/03

独断的映画感想文:マチェーテ

日記:2011年4月某日
映画「マチェーテ」を見る.1_3
2010年.監督:イーサン・マニキス,ロバート・ロドリゲス.
出演:ダニー・トレホ(マチェーテ),ジェシカ・アルバ(サルタナ),ロバート・デ・ニーロ(マクラフリン議員),スティーヴン・セガール(トーレス),ミシェル・ロドリゲス(ルース),ジェフ・フェイヒー(ブース),ドン・ジョンソン(ヴォン),シェー・ウィガム(スナイパー),リンジー・ローハン(エイプリル),チーチ・マリン(パードレ).
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の監督ロバート・ロドリゲスが,従兄弟の俳優ダニー・トレホと組んで作ったメチャクチャな映画.
ネタバレありますのでご注意.
そもそもは某B級映画中で架空の映画予告編「マチェーテ」というのが流されたらしいのだが,その予告を実際に作っちゃいましたという映画.
メキシコの捜査官通称「マチェーテ」は山刀(マチェーテ)を持たせたら誰も止められない凄腕の持ち主.
ところが麻薬王トレースの本拠地に突っ込んだが罠に落ち,妻子まで惨殺されて重傷を負う.2_2
3年後アメリカで不法移民として働いていたマチェーテは,不法移民排撃派の上院議員マクラフリンの射殺を持ちかけられるが,これはトレースが麻薬取引の拡大を狙って企んだ陰謀だった….
ベテラン大物俳優とぴちぴちのギャルが豪快に出演.のっけから血しぶきと共に首が飛びまくり,おねえちゃんが全裸で飛び出してくるポップな展開.
B級の真髄を力一杯楽しめる希有な作品である.
デ・ニーロは日本の物まね芸人テルが演じても通用する様な情けない悪役で出てくるし,セガールはぺらぺらの日本刀でマチェーテとわたりあい最後には切腹してみせるし,まあ楽しいシーン満載.
「アバター」で格好いいヘリ・パイロットを演じて殉職したミシェル・ロドリゲスの,銃弾に対する強さも大受けした(何と右目を撃ち抜かれたのに,アイパッチ一つつけて復活するのである).3_4
風刺や社会批判も効いているし,良い出来の(と言ってしまうとB級ではなくなるのかしら)映画である.
見て損はなし.★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:シャッターアイランド

日記:2011年4月某日
映画「シャッターアイランド」を見る.3_3
2010年.監督:マーティン・スコセッシ.
出演:レオナルド・ディカプリオ(テディ・ダニエルズ),マーク・ラファロ(チャック・オール),ベン・キングズレー(ジョン・コーリー医師),ミシェル・ウィリアムズ(ドロレス・シャナル),エミリー・モーティマー(レイチェル・ソランド),マックス・フォン・シドー(ジェレマイアー・ネーリング医師),パトリシア・クラークソン(真実を知る謎の女),ジャッキー・アール・ヘイリー(ジョージ・ノイス),イライアス・コティーズ(アンドルー・レディス).4_2
連邦保安官テディと相棒のチャックは,精神科の患者を専門に収容している孤島の刑務所シャッターアイランドに捜査のため出向くことになる.
島はフェリー波止場以外は断崖に囲まれ出入りは不可能,敷地内は院長ジョン・コーリー医師の絶対的権限によって支配されている.
島では患者のレイチェルが独房から忽然と消えており,目撃者の証言も信頼が置けず捜査は難航する.テディ自身放火による火災で喪った妻と子どもの強いトラウマを抱えており,妻の幻を折に触れ目にする.1_2
テディはチャックに,この島で服役している筈の放火犯アンドルーを見つけ復讐したいと打ち明けるのだった….
隔絶した孤島,島を襲う嵐,迷路の様な古い要塞に収容されている凶悪犯罪を犯した精神病者達.この中で自身も精神の安定を欠くテディの苦闘が続くのだが….
ゴシック小説的設定が楽しめるミステリーサスペンス.2
謎の底はそれほど深くないが,映像も美しく映画に引き込まれる.
ただ,かなり最初の方からテディの妻の幻が公然と(?)登場するので,観客は映画のどこが現実でどこが幻なのか,判然としないという状況が生じる.
まあ僕の様な人間は,こういう場合は騙されましょうというスタンスで見ているので(騙されまいと頑張って成功したことは殆どない),あまり気にはならない.
久しぶりのマックス・フォン・シドーに強い存在感を感じた.もっと活躍して欲しいものである.5
一見の価値ある作品.★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ナイト&デイ

日記:2011年4月某日
映画「ナイト&デイ」を見る.3
2010年.監督:ジェームズ・マンゴールド.
出演: トム・クルーズ(ロイ・ミラー),キャメロン・ディアス(ジューン・ヘイヴンス),ピーター・サースガード(フィッツジェラルド),ヴィオラ・デイヴィス(ジョージ長官),ポール・ダノ(サイモン).
空港で偶然出会ったロイ・ミラーとジューン・ヘイブンス.
ジューンはナイスガイ=ロイに一目惚れ,機内でも話を重ねメイクを直しにトイレに行って彼をゲットすると心に誓うが,その頃機内では他の乗客・クルー全員を相手にロイが立ち回りの真っ最中.
ジューンは席に戻るなりロイと熱いキスを交わすが,ロイが頭を掻き掻き説明するには,機長・副機長含め死んでしまい(殺してしまい)機はもうじき墜落するとのこと.二人で死体をかき分け操縦席に着き,機は何とかトウモロコシ畑に不時着するのだが….4
こういう風に始まるスパイアクションもの.
この後ロイはCIAのスパイであることや,いやそうではなくてCIAを裏切って逃亡しているとか,画期的発明品の無限エネルギー電池ゼファーを巡る争奪戦やらにジューンも巻き込まれ,もちろん二人は恋に落ち,あれよあれよと進行する大冒険譚となる.
主役のお二人がさすがにいささかトウのたった美男美女であることを除けば,展開も面白いしさり気なくちりばめられているユーモアも素敵.肩の凝らない娯楽作品として楽しめる.1
因みに題名「ナイト&デイ」のナイトは夜のことではなく「騎士」の方のナイトである.
★★★☆(★5個が満点)
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