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2011/06/25

独断的映画感想文:オカンの嫁入り

日記:2011年6月某日
映画「オカンの嫁入り」を見る.2
2010年.監督:呉美保.
出演:宮崎あおい(森井月子),大竹しのぶ(陽子(月子の母)),桐谷健太(服部研二),絵沢萠子(上野サク),國村隼(村上章),林泰文(本橋信也),斎藤洋介(佐々木義男),春やすこ(島村幸),たくませいこ(和田真),友近(小谷聖子).
陽子と月子の母子二人暮らしの森井家,中庭をはさんで大家のサクちゃんと住む暮らしは,月子の生まれる前に父親が死んで以来変わることなく続いてきた.
ところがある夜,陽子がべろんべろんに酔っぱらって帰ってくる.彼女は同じく酔っぱらった若い男を連れてきて,そのまま二人は潰れてしまう.1翌朝陽子は,その男研ちゃんと結婚すると宣言し月子は仰天,陽子は研ちゃんともう3年越しの仲だと言う.
怒り狂った月子は父の位牌を持ってサクちゃんの家に転がり込み,陽子との間は険悪な状況となったのだが….
これはどうも親離れ子離れのドラマの様だ.
月子は就職先で本社から来たエリート社員につきまとわれ暴力行為を受けるが,会社はその男の側に立ち,月子は退職後も電車に乗れないという後遺症に悩んで,引きこもりの状態にある.
その月子にとって幼少時以来の大家と母親に囲まれた居住空間は,究極の引きこもり場所だ.そこに入り込んできた研ちゃんは美味しい料理を作る板前さんだが,月子には到底受け容れ難い存在である.
でも,愛犬ハチの危急を救ってくれたり,美味しい食事を作ってくれたりして,月子の心は徐々に開いていく.その経過を宮崎あおいと大竹しのぶがじっくり演じていくのが心地よい.3
陽子が何故この様な唐突な形で子離れを図ったかは,映画の後半で明らかになる.
映画は無言の場面の長回しを多用しているのが嬉しいが,それが可能なのは二人をはじめとする俳優陣に力量があるからであろう.
特に陽子の勤め先の診療所の医師を演じる國村隼,大家のサクちゃんを演じる絵沢萠子が素晴らしい.
俳優の力量を信じ安心して物語の展開を追えるしあわせな映画,一見の価値有り.
★★★☆(★5個が満点)
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