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2011/06/05

独断的映画感想文:マイ・バック・ページ

日記:2011年6月某日
映画」「マイ・バック・ページ」を見る.1
2011年.監督: 山下敦弘.
出演:妻夫木聡(沢田雅巳),松山ケンイチ(梅山(片桐優)),忽那汐里(倉田眞子),石橋杏奈(安宅重子),韓英恵(浅井七恵),中村蒼(柴山洋),長塚圭史(唐谷義朗(東大全共闘議長)),山内圭哉(前橋勇(京大全共闘議長)),古舘寛治(中平武弘(週刊東都記者)),松浦祐也(タモツ),青木崇高(キリスト),山本浩司(佐伯仁),山本剛史(清原),中野英樹(津川(週刊東都記者)),菅原大吉(小林(東都ジャーナル編集長)),康すおん(高峰(刑事)),中村育二(島木武夫(週刊東都編集長)),山崎一(徳山健三(週刊東都デスク)),あがた森魚(飯島(東都ジャーナルデスク)),三浦友和(白石(東都新聞社社会部部長)).
映画の冒頭,1969年東京大学の安田講堂に立て籠もった全共闘学生を機動隊が排除する.その後とおぼしき建物に侵入し,落書きや破壊の跡を見て回る男.遅れてきた青年梅山の登場である.
一方,この年東大を卒業し週間東都に就職した沢田は,全共闘びいきの先輩中平の影響を受けながら,社会の底辺のルポ記事等で一部の支持を得ていく.
やがて東都ジャーナルに移った沢田は,革命家を名乗る青年梅山と出会う.
4月蜂起を語りその準備を勧めているという梅山に,何時しか親近感を持つ様になった沢田は,中平の警告にも拘わらず梅山を信用し,京大の活動家・前橋に引き合わせた.
やがて梅山のグループは自衛隊の襲撃に向け,具体的な準備に入る.沢田はその取材を自分にさせるようにと,梅山に持ちかけるが….2
朝日ジャーナル記者を経て映画評論家となった川本三郎氏の,自伝的小説の映画化である.
この映画のポイントは,1970年代の学生運動や全共闘運動へのノスタルジーという面にあるとは思わないし,映画もそのことはあまり描き込んでいない.
この映画の主題はやはり,ナイーブな若者の青春の蹉跌にあるだろう.
正義感に導かれ,取材源秘匿の原則を楯に守ろうとした思想犯が,実は似而非革命家であったことは,沢田にとって悔やんでも悔やみきれない失策であった.しかしその蹉跌は,おおかたの観客の共感を呼ぶものだ.
この時代,このような蹉跌に如何に多くの若者が直面したことだろうか.
主演の妻夫木聡はそのような若者像を演じて過不足無し.松山ケンイチは,同じ社会背景のもとに無気力な若者を演じた「ノルウェイの森」とはうって変わり,自己顕示欲が強く,嘘を重ねて自分も他人をも追い込んでいく梅山を演じて見応えあり.5
エンドロールに流れるボブ・ディランの名曲「マイ・バック・ページ」が,この映画を見事に総括している.
★★★★(★5個が満点)
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「マイ・バック・ページ」★★★☆ 妻夫木聡 、松山ケンイチ、 忽那汐里、石橋杏奈、中村蒼、韓英恵出演 山下敦弘監督、 141分 、2011年5月28日日公開2010,日本,アスミック・エース (原作:原題:マイ・バック・ページ - ある60年代の物語)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「映画の内容は詳しくは知らなかったが 妻夫木 聡と松山ケンイチの共演がどんなか 興味があ... [続きを読む]

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