番外:独断的歌舞伎感想文:新橋演舞場十月花形歌舞伎 當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)
日記:2011年10月某日.
新橋演舞場で芸術祭十月花形歌舞伎を見る.
夜の部は,「猿之助四十八撰の内通し狂言 當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん) 市川亀治郎/市川笑也 天馬にて宙乗り相勤め申し候」
序幕 鶴ヶ岡八幡/大膳館.
ニ幕 浪七住家/幕外/堅田浦浜辺.
大詰 宝光院門前/万福長者内風呂/奥座敷/湯の峯 道行/華厳の滝.
配役:小栗判官兼氏/浪七/娘お駒(亀治郎),照手姫(笑也),鬼瓦の胴八(右近),横山次郎/膳所の四郎蔵(猿弥),後家お槙(笑三郎),浪七女房お藤(春猿),横山郡司(寿猿),横山三郎(薪車),局 藤浪(竹三郎),矢橋の橋蔵/上杉安房守(獅童),遊行上人(愛之助),横山大膳(段四郎).
都合で「ニ幕 浪七住家」から見たこの芝居,亀治郎の早変わりと宙乗りの魅力が何といっても大きいが,獅童の矢橋の橋蔵が大いに笑いをとり,笑也,笑三郎,春猿のそれぞれの女形が良く,充実した舞台だった.
亀治郎はエネルギーにあふれている.
浪七の台詞では,劇場を揺るがす程の大音声で見得を切り,その次の宝光院門前では,お駒の消え入らんばかりの高い声と小栗判官の鋭い若い声を使い分けるのには,感心した.
二幕の浪七最期に至る展開と,大詰めのテンポアップした展開が,多少バランスが悪いようにも思ったが,最期の宙乗りですべて吹っ飛び,終われば大満足の芝居だった.
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