独断的映画感想文:ハンナ
日記:2012年1月某日
映画「ハンナ」を見る.
2011年.監督:ジョー・ライト.
出演:シアーシャ・ローナン(ハンナ),エリック・バナ(エリック),ケイト・ブランシェット(マリッサ),トム・ホランダー(アイザック),オリヴィア・ウィリアムズ(レイチェル).
ハンナは父と二人フィンランドの北極圏の森で暮らす.
日夜父と格闘技,銃撃,狩猟,世界各国語の学習,百科事典の暗記等の訓練をひたすら繰り返す.
外の世界に出たいと懇願するハンナに父親は無線機のスイッチをわたし,世界に出たければそのスイッチを押す様言う.そのスイッチを押すとマリッサという女が来るが,彼女を殺してベルリンで落ち合おうというのだ.
ハンナはそのスイッチを押し,父親は一足先に森を脱出,ハンナは侵入してきた特殊部隊員に連れられ,マリッサが担当する米国CIAのモロッコ基地に拘束される….
人を殺すことを何とも思わない,殺人マシン・ハンナのある種ファンタジックな物語.
父とマリッサの確執の経緯や,ハンナが何故その渦中に巻き込まれなければならないのかは,極めてあいまいで,良く分からず終い.
また,フィンランドの森の中で拘束されたハンナが基地を脱出すると,そこはモロッコの砂漠の真ん中という設定もシュールに過ぎる.
それよりはこの映画は,俳優の魅力で見る映画だ.
特に「ラブリー・ボーン」で主演した透明感ある美少女:シアーシャ・ローナンの魅力ある「純真無垢」な殺人マシンぶりは特筆に値する.
一方で電気もテレビも知らず,「音楽」はその定義を百科事典で知っているだけのハンナが,スペインで初めて見聞きするフラメンコに魅了されていくシーンは,大方の観客の共感を呼ぶだろう.他方,拘束された基地で一瞬の間に数名のエージェントを殺し脱出するその早業,追跡をかわしつつ独力で父との集合地点にたどり着くその能力には(まあ突っ込みたいところもあるが)圧倒されよう.
エリック・バナ,ケイト・ブランシェットも期待通りの味を出している.ケミカルブラザースの音楽も悪くない.
★★★☆(★5個が満点)
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