独断的映画感想文:ブラック・スワン
日記:2012年2月某日
映画「ブラック・スワン」を見る.
2010年.監督:ダーレン・アロノフスキー.
出演:ナタリー・ポートマン(ニナ・セイヤーズ),ヴァンサン・カッセル(トーマス・ルロイ),ミラ・クニス(リリー),バーバラ・ハーシー(エリカ・セイヤーズ),ウィノナ・ライダー(ベス・マッキンタイア).
ニューヨークのバレー団で踊るニナは美貌の優等生,しかし監督のトーマスからは「不感症」と渾名されている.
バレー団は折しも永年プリマを務めたベスが引退,「白鳥の湖」で白鳥と黒鳥の2役を務めるプリマを選出する最終段階にあった.
最終候補に残ったニナはトムに直訴し見事プリマを射止めるが,白鳥はともかく黒鳥を踊るレッスンは難しく,その面では奔放な踊りを見せる新人のリリーに気後れを感じるニナだった.
レッスンの重圧と,家に戻れば自身の挫折を娘の成功で取り返そうというモンスター化した母親との葛藤で,ニナの心は次第に壊されていく….
物語のごく始めから,画面のあちこちに微妙な違和感がちりばめられ,それは壁に掛けてある絵の一部が動いたのではないかとか,誰かの声が聞こえたのではないかとかいうものだが,映画の進行に伴ってそれはますます激しくなり,終盤では殆どホラー映画と思わせる様な妄想と悪夢の連続となる.
その中で踊り続けるニナは黒鳥に開眼したのか,それとも自分との戦いに敗れて滅び去ったのか,ラストシーンの解釈さえ何通りにも取れる映画である.
ナタリー・ポートマンは,プリマドンナを演じるに相応しいレッスンと体型の管理で迫真の演技.
ヴァン・サン・カッセル,リリー役のミラ・クニスも魅力的だった.
画面の展開に引きずり込まれ,一気に見る映画.怖かったが面白かった.
★★★☆(★5個が満点)
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