独断的映画感想文:さや侍
日記:2012年3月某日
映画「さや侍」を見る.
2011年.監督:松本人志.
出演:野見隆明(侍(野見勘十郎)),熊田聖亜(娘(たえ)),板尾創路(倉之助),柄本時生(平吉),りょう(三味線のお竜),ROLLY(二丁短銃のパキュン),腹筋善之介(骨殺死 ゴリゴリ),清水柊馬(若君),竹原和生(坊主),伊武雅刀(家老),國村隼(お殿様).
妻の死をきっかけに何らかの事情で刀を捨て,鞘のみ携え娘と共に脱藩,諸国流浪中の野見勘十郎.
人相書きが回って賞金稼ぎに襲われる毎日,挙げ句に立ち寄った多幸藩で遂に御用となる.
ここの殿様は変わり者で,母に死なれてから笑ったことがない若君に諸芸を30日間見せ,笑わせられれば放免,失敗すれば切腹という30日の行を言い渡される.
野見勘十郎は30日間,様々な芸に挑戦して若君を笑わせようとするが….
この映画は謎の映画である.
野見勘十郎が刀を捨てた経緯も不明なら,鞘は捨てない(それどころか鞘にはひどく執着している)理由も不明.
30日の行は一生懸命勤めるが,親切な番卒や娘に言われるままにやっている様でもあり,生きたいのか死にたいのかも判らない.
また賞金稼ぎに切られても薬草を湿布すれば一日で直ってしまうし,この映画自体が一応リアルな時代劇なのか,それともなんちゃって時代劇なのかさえ判らない.
それでも30日の行の繰り返しギャグの効果で途中まではつい調子良く見てしまうし,最期の切腹までにどう物語が決着するかで興味はつながれていくのだが….
映画の結論はどうも良く分かりません.
Blogでは松本監督の個人的アイデンティティに関わる結論だという論調が多いが,そうなのかも知れない.
判らないことの殆どは何も解決されず,結局30日の行がこの映画のすべてなのだろう.
子役の演技がまともなだけに余計消化不良感が強い.
★★(★5個が満点)
それはそうと板尾創治の芝居は感じよかった.
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