独断的映画感想文:コンテイジョン
日記:2012年7月某日
映画「コンテイジョン」を見る.
2011年.監督:スティーヴン・ソダーバーグ.
出演:マリオン・コティヤール(ドクター・レオノーラ・オランテス),マット・デイモン(ミッチ・エムホフ),ローレンス・フィッシュバーン(エリス・チーヴァー博士),ジュード・ロウ(アラン・クラムウィディ),グウィネス・パルトロー(ベス・エムホフ),ケイト・ウィンスレット(ドクター・エリン・ミアーズ),ブライアン・クランストン(ライル・ハガティ海軍少将),ジェニファー・イーリー(ドクター・アリー・ヘクストール),サナ・レイサン(オーブリー・チーヴァー).
映画の冒頭,咳き込みながら携帯をかけている女性,シカゴの浮気相手との再会を約している.
香港から帰ってきたその女性は翌日発病,痙攣を起こして救急搬送されるがそのまま息を引き取る.家でベビーシッターが見ていた幼い息子も死んだ.
父親のミッチは免疫があったのか発病を免れたが,その時香港で,シカゴで,猛烈な勢いで新型ウィルス性疾患が流行を開始した.
それと闘うWHO,米国疾病予防管理センター(CDC)の闘いを中心に,パニックに陥る人々,荒廃していく都市等をリアルに描くサスペンス映画.
キャストがすごいが,マット・デイモンってこんなに肥っていたっけ?ジュード・ロウってこんなに禿げていたっけ?役作りか老けたのか判らないが,そんなことが気になって….
良くできた映画だが,あまりこの手のサスペンスを見たくないのは,現実にこういうことが起こる確率は決して低くないことが分かっているからだ.
映画の後半では別のことも考えた.
CDCの誠実な指導者チーヴァー博士が,シカゴが感染の拡大を防ぐために閉鎖される直前に,同市に住む恋人に脱出する様電話をかける.
このことがメディアに漏れ,博士は後日議会に喚問されることになるが,博士は「最も愛する者のために自分が取った行動は後悔していない」と述べる(「正しい」と言ったのではなく,「後悔していない」と言ったのだ).
では日本では昨年の3月11日以降,福島原発のメルトダウンを政府・電力が否定しているとき,文部科学省がSPEEDIの分析結果の公開を拒絶していたときに,我が原子力ムラの人々で福島在住の親類縁者友人がいた者は,密かに脱出を勧める電話をかけたのだろうか.
今更どうでも良いことではあるが,こういう映画を見ると,そのことを考えずにはいられない.彼らが国会に喚問されることは決してないだろうから.
★★★☆
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