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2012/08/02

独断的映画感想文:エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE

日記:2012年8月某日
映画「エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE」を見る.6
2010年.監督:ジョゼ・パヂーリャ.
出演:ヴァグネル・モーラ,アンドレ・ハミロ,イランヂール・サントス,ペドロ・ヴァン=エウド,マリア・ヒベイロ,サンドロ・ホーシャ,ミリェム・コルタス,タイナ・ミューレル,セウ・ジョルジ,アンドレ・マットス,ファブリシオ・ボリヴェイラ,ジョーヴェン・セレブラウ.
映画の冒頭,患者を見舞った後病院の外に出る男・ナシメント中佐.車に乗って駐車場を出るその行動全てが監視されている.
ナシメントの行く先をふさぐ黒い車,ナシメントは車を止め外に飛び出す.マシンガンが乱射され車は蜂の巣状態,一方車を盾にするナシメントの背後に止まった車からも,ばらばらと武装した男達が降りてくる.万事休すか.
画面は4年前に遡る.
犯罪都市リオの監獄,その中で外と同様にギャング同士が抗争している.1
銃を手に入れた囚人が対立するギャングを惨殺,人質を取って立て籠もる事件が発生,人権活動家フラガが交渉中に配置された警察特殊部隊BOPE(ボッピ)のマチアス大尉が,隙を見てリーダーを射殺する.
指揮を執ったナシメントはフラガや上官に非難されるが,市民の圧倒的な支持を受け,利に賢い政治家の指示で公安部次長に就任するが,マチアスは普通警官に格下げになった.
ナシメントは,BOPEを指揮してマフィアを殲滅,ところがマフィアがいなくなった後には腐敗警官が組織的に入り込み,自らの武装組織ミリシアを使って敵対組織の死体の山を築きながらその地域を牛耳る.
その上に立つ州知事に至る政治家達が,システムとしてその恩恵を受ける.
BOPEに復帰したマチアスを腐敗警官に殺され,自分の息子までフラガへの襲撃に巻き込まれ重傷を負う.窮地に立ったナシメントの行動は…?4
驚くべきリオの暴力抗争を描く衝撃の映画.
しかし賄賂や暴力という形を取るリオ流に比べて,利権や天下りという形を取る日本流腐敗の方が桁違いに巨額の金が流れるので,人のことは言えません.
社会的問題自体の強烈な印象もさることながら,乾いた暴力描写,軽快なテンポ,家族や同僚との葛藤を織り込んだ物語の展開等,映画そのものの面白さが際だつ作品.
俳優は名前を知らない人ばかりながら,存在感ある演技が見応えあり.
映画として一見の価値あり,どうして日本では配給されないのか訳が分からない.
このリズム感,突き抜けた暴力描写が素晴らしい.5
★★★★(★5個が満点)
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