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2012/08/14

独断的映画感想文:愛のむきだし

日記:2012年8月某日
映画は「愛のむきだし」を見る.3
2008年.監督:園子温.
出演:西島隆弘(角田ユウ),満島ひかり(ヨーコ),安藤サクラ(コイケ),尾上寛之,清水優,永岡佑,広澤草,玄覺悠子,中村麻美,渡辺真起子(サオリ),渡部篤郎(角田テツ).
237分という長尺で名高い園子温監督の大作.
ユウは敬虔なキリスト教徒を両親に持つが,母は「マリア様の様な恋人を見つけなさい」と言い残し病死する.父はそれを期に神父を志し,カソリックの神父となって教会の司祭となる.
ところが信徒のサオリが父に強引に迫るとあっけなく父はサオリと同棲,しかしサオリは3ヶ月で別の男と駆け落ちしてしまう.それ以来父はユウに日々懺悔を強制する様になる.
懺悔することなどない出来の良いユウは,以降父を喜ばすために罪を重ねる様になり,ふとしたきっかけから不良グループに入り,盗撮のプロとなる.
作品の出来を仲間と競っていたユウは,あるとき勝負に敗れ,女装して出会った女子高生とキスをするという罰ゲームをする羽目になる.1
一方サオリの前夫の連れ子ヨーコは,女出入りの激しい父に性的いたずらをされて以来の男嫌い,今はサオリと生活を共にしている.
コイケはやはり幼いとき虐待を受けて育ったが,父が脳出血で倒れたときに復讐を果たし,今はカルト教団の活動家として辣腕をふるう.
コイケはある目的を持ってヨーコを手下の男達に襲わせるが,ヨーコはその場に乱入した女装のユウと共に全員をやっつけてしまい,罰ゲームのつもりでキスをしたユウもされたヨーコも,その瞬間,恋に落ちてしまう….
というプロローグで始まる(ここで映画の題名が初めて表示されます.既に1時間経過)ユウとヨーコの運命の恋の物語.
この映画は長大な純愛映画で,ユウとヨーコの関係ももちろん純愛だが,一方でサオリと父テツとの関係も純愛以外の何ものでもなく,更にコイケの思いも純愛としか言い様がない.
映画はこの後,悪魔の様なコイケの企みにより翻弄されるユウとヨーコ,サオリとテツの運命の変転とカタストロフ,そしてエピローグを描いていくのだが,長時間を意識させない快調なテンポと豊富なエピソードで,最後まで一気に見ることができる.
特に主役の3名の熱演は素晴らしい.
西島隆弘は明るいキャラと流石の軽快な身のこなしで,ユウを最後まで演じきった.
安藤さくらの不気味さ・気色悪さは絶品である.これだけ印象が強いともう2度と感じの良いヒロイン役は来ないであろうが,果たして「それでも,生きている」で同様なキャラクターで満島と共演を果たしている.
満島ひかりのエネルギーは凄まじく,しかもどの瞬間をとっても愛らしい.これほど全編に亘って魅力を発揮し続けるヒロインは,希有ではないか.2
マインドコントロールを受けたヨーコを救おうとユウが対決したとき,ヨーコが聖書コリント人への手紙の13章を暗唱し続ける長回しのシーンがあるが,このシーンは本作の白眉であろう.
この映画は彼女の映画だと言って言い過ぎではあるまい.
音楽では,長い経過を緊張感を維持して盛り上げていくのに,ベートーベンの第七交響曲第2楽章や,ラベルのボレロを使ったシーンは好ましい.
長さにめげず見る価値あり.満島ファンは必見.
★★★★☆(★5個が満点)
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