独断的映画感想文:最強のふたり
日記:2012年9月某日
映画「最強のふたり」を見る.
2011年.監督:エリック・トレダノ.
出演:フランソワ・クリュゼ(フィリップ),オマール・シー(ドリス),アンヌ・ル・ニ,オドレイ・フルーロ,クロティルド・モレ,アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ,トマ・ソリヴェレ,シリル・マンディ,ドロテ・ブリエール・メリット.
パラグライダーの事故による頸椎損傷で,首から下は動かない大富豪のフィリップ.
介護人を募集した中に混じっていた黒人青年ドリスは,傍若無人な人物.介護経験も無く,失業保険取得のため不採用の署名を取りに来たのだった.
その歯に衣着せぬ言動に興味を持ったフィリップは,彼を採用する.障害者にも遠慮は無用と本音で接してくるドリスは,最初こそ様々な混乱をもたらしたが,やがてフィリップとの間にかけがえのない結びつきを築く様になる….
事実に基ずく映画.
スラムに暮らし,大勢の兄弟との間に複雑な関係を持つドリスだが,人間に対する天性の洞察力と底抜けの明るさで,フィリップのなくてはならない存在となっていく.
一方,知性と教養,財力に恵まれたフィリップが,自分の障害を文通相手には隠すということが物語の転回点となって,最終局面ではその結果を観客は目の当たりにするだろう.
映画は終始コメディ仕立てで,場内からは絶えず笑い声が起こっていたが,人間の精神の自由さとは何かという映画の主題は,しっかりと観客の得るところとなる.
見終わって心が開かれ,気分の明るくなる映画,見て損はなし.
★★★★☆(★5個が満点)
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