独断的映画感想文:2010年
日記:2012年10月某日
映画「2010年」を見る.
1984年.監督:ピーター・ハイアムズ.
出演:ロイ・シャイダー(ヘイウッド・R・フロイド),ジョン・リスゴー(ウォルター・カーノウ),ヘレン・ミレン(ターニャ),ボブ・バラバン(ドクター・R・チャンドラ),ケア・デュリア(デイヴ・ボウマン).
監督スタンリー・キューブリックで作成された「2001年宇宙の旅」の続編.原作は前作同様アーサー.C.クラーク.
古典的SFではあるが,前作で投げかけられた謎を解決し,人類の絶望を希望へと転換する素晴らしい作品となった.
米ソが中米のミサイル基地を巡る一触即発の危機にある中,2001年にモノリスの謎を追って木星に派遣されたままボーマン船長以下の乗務員が行方不明になっていたディスカバリー号目指し,ソ連が宇宙船を派遣することになった.
2001年のミッションの責任者フロイド博士は,当時叛乱を起こした指令コンピュータHAL9000の制作者チャンドラー博士他1名を連れ,ソ連隊に同行することとなる.
やがて宇宙船は木星空域に達し,まず衛星のエウロパを探索することになるが,エウロパには生命反応が検出され,そこに無人探査船が近づくと強烈なエネルギー攻撃があり探査船は消滅する.
宇宙船はその後ディスカバリーを発見,ディスカバリーを復旧してHALも機能を回復した.HALが2001年に異常をきたした理由も解明される.
一方モノリスの探索に有人探査船が派遣されたが,探査船の接近に伴い異常事態が発生,探査船は遭難する.それに呼応するかの様に地球では故ボーマン船長の妻に本人からのメッセージが届き,ボーマンの母親は幸福のうちに死去する.やがてHALにボーマン船長の姿が現れた….
米ソの対決により戦争の危機に直面する地球を遙かに離れ,木星空域でモノリスの謎に挑むアストロノウツ達.その絶対的孤立感が良く描かれ,映画の緊張感は並々ならぬものがある.
特に,“感じやすい”コンピュータHAL9000とチャンドラー博士のやり取りは印象的で,最終局面でのHAL9000との別れのシーンは涙を禁じ得ない.
制作年が1980年代であることもあって,コンピュータの外観や通信機器,グラフィックの様相はかなり時代遅れなものとなってしまったが,そんなことは問題にならない映像表現の魅力で最後まであっという間に見せる映画.素晴らしい.
★★★★(★5個が満点)
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