独断的映画感想文:蛇にピアス
日記:2012年10月某日
映画「蛇にピアス」を見る.
2008年.監督:蜷川幸雄.
出演:吉高由里子(ルイ),高良健吾(アマ),ARATA(シバ),あびる優(マキ),ソニン(ユリ).以下特別出演:市川亀治郎,井手らっきょ,小栗旬,唐沢寿明,藤原竜也.
原作は2003年に発表された同名の芥川賞受賞小説.
渋谷とおぼしき街を俯瞰するショットから始まる映画,主人公はルイ,アマ,シバの3人.
ルイとアマは恋人同士,アマは舌の先端を切り裂いて蛇の様に二股にしている.痛み以外には何ものにも現実感を持たないというルイは,アマの様に舌を切り裂こうと,舌にピアスを嵌める.
その指導をしたアマの友人シバは,刺青もする.ルイは龍と麒麟の刺青をすることを条件にシバにも体を許すのだが….
生活感の全くない3人の青年の行動を描く映画.しかし寓話的な映画と思えば,そのことに違和感はない.
むしろアマの純情やシバの優しさには心を動かされる.
純情だが鉄砲玉の様な行動をコントロールできないアマを演じる高良健吾,無表情でサディストの彫り師シバを演じるARATAが良い.主人公ルイを演じる吉高由里子は,気の毒だがこの二人に比べれば今ひとつ突き抜けたところがなく,見劣りがする.
★★★☆(★5個が満点)
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