番外:独断的歌舞伎感想文:鬼一法眼三略巻
日記:2012年12月某日
歌舞伎「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき) 四幕」を見る.
国立劇場美術係=美術.
序 幕:六波羅清盛館の場,二幕目:今出川鬼一法眼館菊畑の場,三幕目:檜垣茶屋の場,大 詰:大蔵館奥殿の場.
出演:中村吉右衛門(吉岡鬼一,一条大蔵卿長成),中村魁春(常磐御前),中村歌六(平清盛),中村又五郎(奴智恵内実は吉岡鬼三太),市川高麗蔵(勘解由妻鳴瀬),中村松江(播磨大掾広盛),中村歌昇(笠原湛海),中村種之助(腰元白菊),大谷廣松(女小姓楓),中村隼人(丹波小三郎頼兼),中村米吉(女小姓弥生),中村歌江(腰元錦木),大谷桂三(難波次郎経康),澤村由次郎(八剣勘解由),中村錦之助(平重盛),中村芝雀(皆鶴姫),中村東蔵(鬼次郎女房お京),中村梅玉(虎三実は牛若丸・吉岡鬼次郎).
この序幕は初めて見たが,その無法横暴ぶりが圧倒的なのと同時に,為政者としての風格も感じられる歌六の清盛であった.贔屓の錦之介が眉目秀麗な重盛を演じ清盛に諫言する.
2幕目の菊畑は,吉右衛門の鬼一法眼を初めて見るが,流石の迫力・威厳である.又五郎の智恵内がこの吉右衛門と良く合っていた.鬼一法眼は後半登場しないが(次の幕で一条大蔵卿になるのだから無理なのだろうが),三段目の最後までこの配役で見られればと思ったことである.
一条大蔵卿は作り阿呆の話である.
常磐御前を清盛からお下がりとして頂き妻としているが,本人はとんでもない阿呆と思われているが実は…と言う物語.
この長成を演じる吉右衛門が素晴らしい.台詞術では歌舞伎界随一と思われる吉右衛門のその力が,余すところなく発揮され圧倒される.
芝雀,高麗蔵も見応えあり.充実した歌舞伎らしい歌舞伎であった.4時過ぎ終了.
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