独断的映画感想文:ダークナイト ライジング
日記:2013年1月某日
映画「ダークナイト ライジング」を見る.
2012年.監督:クリストファー・ノーラン.
出演:クリスチャン・ベイル(ブルース・ウェイン/ダークナイト=バットマン),マイケル・ケイン(アルフレッド),ゲイリー・オールドマン(ジェームズ・ゴードン市警本部長),アン・ハサウェイ(セリーナ・カイル),トム・ハーディ(ベイン),マリオン・コティヤール(ミランダ・テイト),ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ジョン・ブレイク),モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス),マシュー・モディーン(フォーリー市警副本部長),アロン・モニ・アブトゥブール(パヴェル博士),ベン・メンデルソーン(ダゲット),バーン・ゴーマン(ストライバー),ジョシュ・スチュワート(ジュノー・テンプル),ジョン・ノーラン(フレデリクス),ネスター・カーボネル(ゴッサム市長),キリアン・マーフィ(ジョナサン・クレイン/スケアクロウ),リーアム・ニーソン(ヘンリー・デュカード/ラーズ・アル・グール).
前作でゴッサム市の平和のため検事デントの悪行をバットマンの所行としてひっかぶり,自らの活動を封印したブルース・ウェイン.それから8年,街は平和を享受していたが,影の同盟の弟子であるベインはゴッサムシティを遅う準備を進めていた.
セリーナを使ってブルースの指紋を盗み出したベインは,それを使ってブルースをいかさま取引に巻き込み破産させ,更にウエィン産業が密かに開発していた核融合炉,戦闘車両に魔手を伸ばす.
ベインとの直接対決で完膚無きまでに敗れ去ったウェインは,脱出不能の地下牢に幽閉される.
ベインはゴッサムシティに乗り込み,警官隊を地下トンネルに誘い込んで生き埋めにし,核融合炉を中性子爆弾に改造して街を恐怖支配するのだが….
あらすじをこう書いてくるとどう見ても悪いのはブルース・ウェインですね.
一体,街の地下に自分の企業の資金を密かに転用して核融合炉を設置し,戦闘車両を隠し持っている男が,如何に自分は市民のために命を捧げると言っても信頼できるだろうか?
ベインがしたことはブルースを罠にかけ,その核融合炉と戦闘車両を奪っただけのことである.ベインは更に貧民革命を主張して街を直接の支配下に置いた.共産主義で言うプロレタリア独裁である.そのどこが悪いのか.
腐敗した市長・市警とどちらがマシなのか.
まあこれは屁理屈ですが,そういう疑問は当然起こってくる疑問であり,現実が映画を越えて凶悪になってきた現在(現にこの映画の試写会で発生した銃乱射事件がある),善と悪を巡る物語の立ち位置は難しくなっている.
しかしそれにもかかわらずこの映画の重厚な作り,3部作の掉尾を飾るにふさわしいドラマには,引き込まれざるを得ない.
大胆なアクションを描いて行く映像の魅力も充分だ.
俳優ではゲイリー・オールドマン,アン・ハサウェイ,マリオン・コティヤール,ジョセフ・ゴードン=レヴィットが魅力的.
苦渋に満ちたダークナイト3部作だが,エンタテインメントとしてのバットマンシリーズは,まだまだやるぞというやる気を示してのエピローグが印象的だった.
★★★★(★5個が満点)
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